
今回のASCO GI 2016では、治療歴があるHER2陽性の進行胃癌に対する2次治療として、T-DM1とタキサンを比較したフェーズ2/3のGATSBY試験の結果が発表されました。
HER2陽性の進行胃癌に対する1次治療を検討したToGA試験では、化学療法にトラスツズマブを追加することにより、全生存期間(OS)の有意な延長が示されています。そのため、2次治療でも抗HER2療法の効果が期待され、私たちもGATSBY試験に参加したわけです。
残念ながら、2次治療でT-DM1の効果を示すことはできませんでした。胃癌は1つのレセプターだけで説明できるような癌ではなく、思っていた以上にヘテロな癌であるということが改めてわかったとも言えます。