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ゲフィチニブとの直接比較でPFSが改善、それでもLux-Lung 3+6のエビデンスが重い
LUX-Lung7試験から再考するアファチニブの位置づけ【ESMO ASIA 2015】

2016/01/20
近畿大学医学部外科学呼吸器外科部門主任教授 光冨 徹哉 氏

 ESMO ASIA2015では、EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)のファーストライン治療として、アファチニブとゲフィチニブを初めてhead to headで比較した、無作為割付け第IIb相試験であるLUX-Lung 7試験の結果が発表されました。主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)が、アファチニブにおいて有意に延長したことが報告されました。

 ただし、それ以前にアファチニブで得られていた大きなエビデンス、すなわち第III相の試験であるLUX-Lung 3試験とLUX-Lung 6試験の結果を考えると、LUX-Lung 7試験の解釈はやや難しくなります。これら2件の第III相試験を統合解析した結果では、化学療法と比較して、common mutationであるDel19ではOS(全生存期間)が有意に延長し、L858Rでは短縮する傾向があるという結果でした。わが国ではゲフィチニブを用いたNEJ002 試験やWJTOG3405試験で、PFS(無増悪生存期間)は延長したもののOSが化学療法と差がなかったことから、たとえ統合したといってもこの試験のDel19群でOSに有意差が出たということは重たく受け止めるべきだと考えています。

 従って、アファチニブの投与には遺伝子変異の種類も考慮すべきであり、PSが良好な患者さんに対しては、アファチニブは副作用が強いことを考慮してもDel19のファーストライン治療として選択することが良いと考えておりました。一方、L858Rにおいては化学療法群に劣る傾向がみられるので、毒性の少ないゲフィチニブで十分だと考えていました。

 しかし今回発表されたLUX-Lung 7試験では、アファチニブによりDel19とL858Rの両方でPFSが改善し、L858Rを含めて「アファチニブの有用性はゲフィチニブを上回る」と結論され、一見、これまでのエビデンスとの整合性が取れなくなったようにみえます。このLUX-Lung 7試験の結果をどのように解釈すればよいのか、LUX-Lung 3試験とLUX-Lung 6試験との整合性をどのように取るべきか私見を述べたいと思います。

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