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エリアレビュー・乳癌
患者の声を重視した進行乳癌のコンセンサス会議【Advanced Breast Cancer Third International Consensus Conference】
がん研有明病院乳腺センター長 大野真司氏

2015/12/08

 Advanced Breast Cancer Third International Consensus Conference(ABC3)が、11月5日から7日までポルトガル・リスボンで開催され、私は司会とコンセンサスセッションのパネリストをさせていただきました。会議の最後に行われたコンセンサスセッションでは、全世界の乳癌のエキスパートと乳癌体験者であるアドボケート(代弁者)計44人がパネリストとなり、作成されたステートメントについて議論した後、投票が行われました。最終的な結果は論文として発表される予定です。

 ABC3では3つのポイントがありました。最大のポイントは、患者さんの声を重視していたことです。ABCは新しい臨床試験の結果が発表される場ではありませんが、再発乳癌に関する知識を整理できる場であり、そこで患者さんの声を大きく取り上げていることが印象的でした。治療については、サブタイプによりホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性乳癌、HR陽性HER2陽性乳癌、HR陰性HER2陽性乳癌、トリプルネガティブ乳癌に分け、話が進みました。そして支持・緩和療法については、乳癌に関連する症状の中から呼吸困難と全身倦怠感に焦点をあて、レクチャーが行われました。

パネリスト44人中5人が乳癌体験者

 ABC3のオープニングセッションは、3人の女性の挨拶からスタートしました。最初にポルトガル大統領夫人、続いてこの会議の議長の1人であるポルトガルChampalimaud Cancer CenterのFatima Cardoso氏、そして米国の再発乳癌患者さんのサポートグループ「METAvivor」の会長を務めるDian Corneliussen-James氏が挨拶しました。

 METAvivorは「metastasis」と「survivor」を合わせた造語で、転移を有する乳癌を生存可能な疾患に変える研究に資金を提供している非営利団体です。Corneliussen-James氏はこの団体の創始者の1人で、進行乳癌患者として9年間生きている患者さんです。

 Corneliussen-James氏はセッションでも話をしましたし、コンセンサスセッションのパネリスト44人のうち、5人は同氏や看護師を含む乳癌体験者でした。コンセンサスセッションでは、作成されたステートメントについて、医師からいろいろな意見が出た後で患者さんの意見が求められ、その後に投票が行われました。さらに、アドボカシーのセッションが午前と午後の両方に組み込まれたり、別会場だけではなくメイン会場でも行われたりと、患者さんの声が非常に重要視された会議であったと思います。

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