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エリアレビュー・大腸癌
TAS-102の有害事象発現のタイミングが明らかに【ECC2015】
がん研有明病院消化器化学療法科医長 篠崎英司氏

2015/10/30

 経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤であるTAS-102は、日本では国内第II相臨床試験の結果に基づき、2014年3月に治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌を対象として承認されました。その後、日本を含む国際第III相臨床試験、RECOURSE試験においても、有効性が確認されています。

 今回のEuropean Cancer Congress(ECC2015)では、RECOURSE試験の対象について、有害事象が発現するタイミングを解析し、報告しました。

 解析の結果、TAS-102の投与を受けた患者に発現した有害事象は比較的軽度であり、多くは第1サイクル目に発現することがわかりました。したがって、第1サイクル目の有害事象をコントロールすることができれば、それ以降の治療サイクルではコントロールに支障を来す有害事象は発現しにくくなると考えられます。

TAS-102で主要評価項目のOSが改善

 TAS-102は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)をモル比1:0.5で配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤です。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりに直接DNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こし、抗腫瘍効果を発揮すると考えられています。一方、TPIはFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持します。

 RECOURSE試験は二重盲検のランダム化比較試験で、2012年6月から2013年10月までに、日本、北米、欧州、オーストラリアなど13カ国、114施設から800人の患者が登録されました。

 対象は、結腸または直腸の腺癌であることが生検で確認され、標準化学療法を2つ以上のレジメンで受け、その後に進行・再発を認めた患者、または有害事象により標準化学療法が再適用できないと判断された患者です。標準化学療法には、フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカン、オキサリプラチン、ベバシズマブ、KRAS野生型の場合はセツキシマブまたはパニツムマブが含まれます(図1)。

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