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エリアレビュー・肺癌
ALK陽性肺癌に対する初回治療としてのクリゾチニブの有効性を再確認
九州大学病院呼吸器科 診療准教授 岡本 勇氏

2015/10/27

 ALK陽性非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)の1次治療として、クリゾチニブはプラチナ併用療法よりも有効であることが、PROFILE 1014試験で明らかになっています。

 第16回世界肺癌学会(WCLC2015)では、PROFILE 1014試験から、脳転移を有する症例を対象にクリゾチニブと化学療法の効果を評価した結果と、アジア人に対象を絞ってQOLを評価した結果が報告されました。

 脳転移に対する有効性の評価では、クリゾチニブは化学療法と比べて脳転移の進行を抑え、病勢安定も得られる可能性が高いことが、示されました。QOLの評価では、アジア人でALK陽性の患者さんに対し、クリゾチニブを初回治療として選択すべきであることが示されました。

アジア人においても有効性と安全性は全対象と一致

 PROFILE 1014試験は、ALK陽性非扁平上皮NSCLCの1次治療として、クリゾチニブとプラチナ製剤をベースとする化学療法を比較した、多施設共同、非盲検、第III相のランダム化比較試験です。

 同試験の対象は、中央判定におけるFISH法でALK陽性と判断された、局所進行、再発、転移を有する非扁平上皮NSCLCの患者です。進行病変に対する全身療法は受けていないこと、ECOG PS は0-2、脳転移がある場合は治療で安定していることが、適格基準に含まれました。

 患者は、クリゾチニブ群または化学療法群に、1:1でランダムに割り付けられました。クリゾチニブ群では、クリゾチニブ250mgを1日2回経口投与、化学療法群では、ペメトレキセド(500mg/m2)とシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC 5-6)を3週毎に6サイクルまで投与しました。ランダム化にあたっては、ECOG PS 0/1と2、アジア人と非アジア人、脳転移の有無で層別化しています。増悪(PD)後は、クリゾチニブの投与継続またはクロスオーバーが認められました。

 主要評価項目は、独立画像評価(IRR)委員会によるRECIST評価でのPFSです。副次的評価項目は、奏効率、全生存期間(OS)、脳内の無増悪期間(Intracranial TTP)、安全性、患者報告アウトカム(PRO)でした(図1)。

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