
ALK陽性肺癌に対して、ALK阻害薬クリゾチニブは標準的な化学療法に比べ有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが、ファーストライン治療としての有効性を検証したPROFILE 1014試験およびセカンドライン治療のPROFILE 1007試験で明らかになっています。
ただALK陽性肺癌は脳に親和性が高い、すなわち脳転移を有している人の比率が高く、また治療中に脳転移を発症する人の比率も高いことから、薬物療法で脳の病巣に対して、どれだけ抑制効果があるのかについて、非常に大きな関心が持たれていました。
そこで、PROFILE 1014試験において、頭蓋内の病変に対する効果が解析され、今回の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2014)で報告されました。頭蓋内病変の無増悪期間(TTP)はクリゾチニブ群のほうが化学療法群に比して長く、さらに頭蓋内病変のコントロール率(DCR)もクリゾチニブ群で有意に高いという結果でした。