ビグアナイド(BG)薬であるメトホルミンによって便中への糖の排出が促進されることが、生体イメージング研究から明らかとなった。神戸大学医学部附属病院の坂口一彦氏らが、ウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会(ADA2020、6月12~16日)で、メトホルミンによる血糖降下の新たな作用メカニズムとして報告した。
経口血糖降下薬として古くから2型糖尿病治療に用いられているメトホルミン。詳しい作用メカニズムについては不明な点もあるが、肝臓での糖新生抑制、筋肉・脂肪組織での糖の取り込み促進、小腸における糖吸収抑制といった複数の作用により血糖値を改善することが知られている。これまでにPET-CTを用いた研究から、メトホルミンにより糖が腸管に集積することが報告されていたが、詳細な集積部位は明らかになっていなかった。
シリーズ◎糖尿病診療の最新動向
学会トピック◎第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020)
メトホルミンが便中への糖の排出を促進
PET-MRIにより集積部位の詳細な検討が可能に
2020/07/06
今滿 仁美=日経メディカル
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
連載の紹介
シリーズ◎糖尿病診療の最新動向
適切な血糖コントロールが必要な糖尿病。持続血糖測定の適応が広がり、より緻密な血糖管理が可能になってきました。薬物治療も大きく進歩し、新たな知見が次々と発表されています。進化する糖尿病診療のトレンドを紹介します。
この連載のバックナンバー
-
2022/05/10
-
2021/11/11
-
2021/11/10
-
2021/11/09
-
2021/11/08