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レポート◎遠隔ICUサービスは日本でも普及するか?
遠隔アドバイスでICUの治療成績向上を目指す

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で注目を浴びた問題の1つが、重症患者を治療する集中治療室(ICU)のあり方だ。国内のICUは2018年7月時点で5211床。ハイケアユニット(HCU)などICUに準じた病床を含めると1万7034床ある。どのようにすればこれらの高度治療室をパンクさせることなく、多くのCOVID-19の重症患者を治療していけるか、多くの政策関係者が頭を悩ませた。ただ、日本集中治療医学会が認定する集中医療専門医は約1900人にとどまる。多くの病床が、集中治療医以外で回されていることは想像に難くない。

 「心臓血管外科医としてICUで患者を管理しているときは自分でもできると思っていたが、集中治療医として患者を診るようになってから、改めてその専門性の高さに驚かされた」と話すのは、集中治療専門医の中西智之氏だ。他科の医師がICUに入ると輸液の量が足りなかったり、人工呼吸器の設定が違ったりすることなどを目にしていた中西氏は、集中治療医がもっと多くのICUで関与できる体制が必要だと考え、2016年に起業し、T-ICU(兵庫県芦屋市)を設立。米国で1990年代後半から普及し、現在2割のICUで使われるテレICUのモデルを日本に持ち込み、集中治療医が遠隔から現場で働く非専門医に対してアドバイスできる仕組みを構築した。

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