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Ann Intern Med誌から
モルヌピラビルはCOVID-19患者の回復を促進
COVID-19患者の入院と死亡を減らす以外の効果を2次解析

 米国Merck社のMatthew G. Johnson氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬モルヌピラビルの第2/3相臨床試験MOVe-OUTの第3相部分のデータの主要評価項目以外を2次解析して、臨床検査値、酸素補充療法、入院期間などの改善効果がプラセボ群より優れており、医療機関の負荷軽減に役立つと報告した。結果は2022年6月7日のAnn Intern Med誌電子版に掲載された。

 MOVe-OUT試験は、軽症から中等症だが危険因子があるCOVID-19患者にモルヌピラビルを投与すると、プラセボ群に比べ入院や死亡のリスクを減らせることを示した臨床試験だ。試験の主要評価項目以外にも、モルヌピラビルがもたらす臨床利益があると考えた著者らは、MOVe-OUT試験の第3相試験部分のデータの2次解析を行うことにした。

 MOVe-OUTには、アフリカ、アジア太平洋、欧州、中南米、北米の107施設が参加している。組み入れ対象は、発症から5日以内に参加施設の外来を受診した軽症から中等症の成人COVID-19患者で、重症化の危険因子(年齢60歳超、活動性の癌、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、BMI30以上、重篤な心疾患、糖尿病)が1つ以上ある人とした。入院が必要な患者、CKDのステージが4か5の患者、透析患者、妊婦、COVID-19ワクチン接種済みの人は除外した。

 条件を満たした患者は、1対1の割合でモルヌピラビル群とプラセボ群に割り付けた。モルヌピラビル群は800mgを使用し、割り付け薬は12時間ごとに5日間投与した。割り付けの際の層別化は、発症からの時間(3日未満か以上か)で行った。消炎鎮痛薬などの対症療法は担当医の判断で実施してよいが、レムデシビルや抗体医薬などCOVID-19の臨床試験に使用されている他の薬は29日目まで原則として使用禁止とした。ただし、割り付け後に重症化して入院が必要になった患者には、これらの治療を行ってもよいこととした。評価のため、ベースラインの他に3日後、5日後、10日後、15日後、29日後に受診するよう患者に依頼した。

 今回の2次解析は、割り付け薬を1回以上使用した患者を分析対象とした。評価した項目は、ベースラインから29日後までのCRPとSpO2の変化、呼吸療法(一般的な酸素療法、加温加湿デバイスを用いた高流量酸素療法、非侵襲的換気療法、侵襲的な機械的換気)の実施、COVID-19関連の治療のための受診などとした。割り付け後に入院した患者では、入院期間も比較した。

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シリーズ◎新興感染症
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