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EBioMedicine誌から
重症COVID-19患者への幹細胞治療は肺病変を小さくする
臍帯血由来の間葉系幹細胞治療を受けた患者を1年後まで追跡

 中国Chinese PLA General Hospitalの Lei Shi氏らは、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を起こした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対して、標準治療に加えてヒト臍帯血由来の間葉系幹細胞(UC-MSC)を投与する臨床試験を行い、既に28日後までの短期成績を報告しているが、さらに1年後まで追跡を継続し、UC-MSC治療を受けた群はプラセボ群に比べ、12カ月後の肺のCT画像が正常化している患者の割合が有意に高かったと報告した。結果は2021年12月24日のEBioMedicine誌電子版に掲載された。

 COVID-19で入院した患者の一部は、退院後も生理学的な異常や、画像所見の異常が持続していることから、長期成績を改善するための治療介入が望ましい。ARDS患者を対象にしたこれまでの研究で、MSC治療を適用した群はプラセボ群よりも良好な成績が報告されていたことから、著者らは重症のCOVID-19入院患者にUC-MSC治療を実施する第2相臨床試験を行った。既に報告した28日後までの治療成績では、プラセボ群に比べCT画像による肺の病変容積縮小が観察され、6分間歩行距離が改善していた。この論文では、さらに1年後まで追跡した結果を報告している。

 著者らの試験では、100人の患者を2対1の割合で、UC-MSC群65人とプラセボ群35人に割り付けた。UC-MSCは、中国VCANBIO Cell & Gene Engineering社から提供を受けた。MSC群には、4.0×107個のMSCを含む100mLの懸濁液を0日目、3日目、6日目に静注した。プラセボ群にはMSCを含まない懸濁液を投与して、全員に標準治療を実施した。

 28日後の評価以降は1年後まで、3カ月ごとに安全性と有効性を評価した。受診時には、問診と診察、高解像度CT検査、6分間歩行試験、肺機能検査、血液検査などを実施した。第2相臨床試験の主要評価項目は、高解像度CT画像による肺病変の容積が肺全体の容積に占める割合の、ベースラインから1カ月後までの変化に設定されていた。その他の画像所見や、6分間歩行試験、肺機能検査の結果や、有害事象についても分析した。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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