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Nature Computational Science誌から
SARS-CoV-2感染は季節性を伴う可能性が高い
世界各地の流行状況分析で低気温・低湿度の条件で感染拡大する傾向

 スペインBarcelona Institute for Global HealthのAlejandro Fontal氏らは、世界各国で観測されたCOVID-19の流行第1波と第2波の状況と、気象データの関係をモデルを用いて検討し、COVID-19は気温と湿度が低い期間に感染が拡大しやすい、流行に季節性を伴う疾患だと考えた上で今後の対策を検討するべきだと報告した。分析結果は2021年10月21日のNature Computational Science誌電子版に掲載された。

 COVID-19のパンデミックは、中国・武漢からの報告に始まって、北半球が冬を迎えている時期に感染が拡大した。そのためCOVID-19もインフルエンザのように気候が寒冷な季節に流行しやすい疾患である可能性が考えられる。しかし、免疫を持たない易感染性の人々が多く存在する状況では数理モデルが適用しにくく、パンデミック初期にはその他の交絡因子も多かったため、簡単には結論が出せなかった。

 そこで著者らは、SARS-CoV-2の伝播率に気候と季節が及ぼす影響を明らかにしようと考えた。まず、SARS-CoV-2の感染が拡大しつつあったが、人々の行動や公衆衛生政策が大きく変化する前の、世界の5大陸(162カ国)における、基本再生産数(R0)と気温および絶対湿度の関係を、scale-dependent correlation analysisによる時系列分析を行って検討した。その結果、R0と気温、湿度の間には、短いタイムラグを挟んだ強力な逆相関関係が認められた。

 感染拡大の第1波では気温と湿度の上昇に伴って感染は縮小し、第2波では気温と湿度の低下に伴って感染が拡大していた。しかしこの関係は、すべての大陸において、夏には認められなくなっていた。その理由として著者らは、夏期には若者を対象とする大規模イベントが開催されるなど、行動に変化が生じたからではないかと考えている。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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