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JAMA Network Open誌から
mRNAワクチン接種後のアナフィラキシーはIgE抗体を介さない
ポリエチレングリコールに対するIgG抗体を介するメカニズムが関与か?

 米国Stanford大学のChristopher Michael Warren氏らは、SARS-CoV-2に対するmRNAワクチン接種後にアレルギー反応を起こしたと考えられる22人を対象に、皮膚プリック検査、好塩基球活性化試験、ポリエチレングリコール(PEG)に対するIgEとIgG抗体検査などを行い、ワクチン接種後のアナフィラキシーに関する考察を行い、この反応にはIgE抗体が介在していないようだと報告した。結果は2021年9月17日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 米国のVaccine Adverse Event Reporting System(VAERS)に集まったデータから、mRNAワクチン接種後のアナフィラキシー発生率を推定すると、Pfizer/BioNTechのBNT162b2ワクチンが100万人当たり4.7件、ModernaのmRNA-1273ワクチンは100万人当たり2.5件と報告されている。アナフィラキシーの診断が確定した66人の患者を調べると、95%が女性で、多くがアレルギーやアナフィラキシーの経歴を持っていた。

 米国の一般住民でも、何らかのアレルギーを経験したことがある人の割合が増加していることから、より幅広い対象者にワクチンを受けてもらうには、アナフィラキシーのリスクを正確に理解してもらう必要がある。そこで著者らは、米国で使用されているmRNAワクチン接種後にアナフィラキシーが起こるメカニズムを調べることにした。

 カリフォルニア州の医療ネットワークであるStanford Medicine Networkには、約421万人の地域住民のデータが蓄積されている。この研究では、2020年12月18日から2021年1月26日までにmRNAワクチンの接種を受けた3万8895人(サンタクララ郡が高齢者への接種を開始したのは1月26日からなので、ほとんどは医療従事者)の中から、アナフィラキシーに関連するICD-10コードが記録されていた人を照合し、診療記録のアレルギー反応を確認した22人を選び出した。アレルギー反応は、ワクチン接種から3時間以内に、蕁麻疹、口腔/口唇/舌/咽頭の腫脹、息切れ、喘鳴、胸部圧迫感、血圧の変化もしくは意識喪失を起こした患者とした。

 該当者には、評価のために受診してもらい、ワクチンとその含有成分に対する皮膚プリック検査(SPT)や好塩基球活性化試験(BAT)などを受けてもらった。SPTでは、ポリエチレングリコール(DMG-PEG 2000)、ポリソルベート80(P80)、ヒスタミン(1mg/mL)、濾過した生理食塩水(陰性コントロール)に対する反応を調べた。BATでは、患者由来のヘパリン血にPEG、P80、ワクチン、陰性コントロールの生理食塩水、または陽性コントロールの抗IgE抗体を加えて、37度で30分刺激した後に、好塩基球の活性化レベルを評価した

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シリーズ◎新興感染症
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