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The Lancet Regional Health-Europe誌から
BNT162b2は接種後6カ月でIgG抗体価がピーク時の7%に低下
エストニアのワクチン接種者を追跡した調査

 エストニアTartu大学のPaul Naaber氏らは、Pfizer社のBNT162b2ワクチンを2回接種した医療従事者を6カ月後まで追跡して液性免疫および細胞性免疫応答を評価し、接種後には5種類の変異株に対しても抗体反応が起こるが、IgG抗体価は比較的短期間のうちに低下すると報告した。結果は2021年9月6日のThe Lancet Regional Health-Europe誌電子版に掲載された。

 SARS-CoV-2に対するmRNAワクチンの効果が高いことは証明されているが、抗体反応とT細胞応答がどれくらい持続するのか、また、年齢や接種時の副反応の程度が効果に及ぼす影響は明らかではなかった。そこで著者らは、ワクチン接種者の免疫反応を6カ月後まで追跡して、パンデミック前の健康な人(ネガティブ対照群)やCOVID-19軽症患者(ポジティブ対照群)と比較することにした。

 接種を受けたのはエストニアSYNLABの従業員ボランティアで、3週間間隔で2回のワクチン接種を終えた122人。血液標本採取は、初回接種前(B1D)、2回目の接種前(B2D)、2回目の接種から1週間後(1wA2D)、6週後(6wA2D)、12週後(12wA2D)、6カ月後(6mA2D)に行った。参加者は2回目の接種後に経験した有害事象についての質問票に回答した。

 血清標本を用いて、SARS-CoV-2スパイク蛋白質の受容体結合ドメイン(S-RBD)に対するIgG抗体(全ての採血時点)と、IgM抗体(B1D、B2D、1wA2D)を測定した。IgG抗体のカットオフ値と検出上限値は、それぞれ50AU/mLと8万AU/mLだった。ウイルスがACE2受容体に結合するのを阻止する能力は、IVD-CE SARS-CoV-2 Neutralizing Antibody ELISA kitを用いて評価した。この検査には野生株(武漢)、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、カッパ株を用いた。

 122人の従業員のうち21人(17%)が男性で、101人(83%)が女性だった。年齢は21歳から69歳の範囲で、中央値は34歳(四分位範囲27~45歳)だった。全員がCOVID-19歴を持っていなかった。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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