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Lancet Digital Health誌から
人流の減少は翌週以降のCOVID-19発症率の減少と関連
中南米5カ国314都市の住民移動量の変化とCOVID-19発症率の変化を分析

 米国Drexel大学のJosiah L Kephart氏らは、ラテンアメリカ5カ国314都市の1031地域を対象に、携帯電話の位置情報を利用した2020年3月~8月の人口移動と1週間後以降のCOVID-19発症率の関係を分析し、人の流れが減少した地域では、その後のCOVID-19発症率が減少していたと報告した。結果は2021年8月26日のLancet Digital Health誌電子版に掲載された。

 ラテンアメリカの人口の80%は都市部に住んでおり、そこではCOVID-19が猛威をふるっている。各国の政府は、感染を抑制するためにステイホームを指示するなどの介入を行っている。

 感染予防のための中心的な政策の1つが人流の管理だが、その有効性の程度を検討した研究は多くが、国レベル、または州や県レベルで行われていた。ゆえに、都市の中の地域の人流の変化が、その後のCOVID-19発症率に及ぼす影響についてはほとんど分かっていなかった。そこで著者らは、ラテンアメリカの多くの都市で地域住民の移動とCOVID-19発症率の間の経時的な関係を検討することにした。この研究は、Salud Urbana en America Latina(SALURBL)プロジェクトの一環として行われた。SALURBLプロジェクトでは、11カ国371都市のデータを調べている。

 この研究では、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、グアテマラ、メキシコの人口移動データとCOVID-19発症率を調べることにした。対象にしたのは、2010年の統計で人口10万人を超えていた都市で、各国政府からステイホームの指示が出ていた地域とした。人の移動は「UN Development Programme in Latin America and the Caribbean and Grandata」が提供する匿名の携帯電話位置情報で調べた。期間は2020年3月2日から8月29日までとした。地域レベルのCOVID-19発症率は、5カ国の政府が発表した情報を照合した。

 曜日による変動の影響を減らすため、人の移動は週単位の平均値を調べることにした。中南米にパンデミックが広がる前の、3月2~9日の7日間の人口移動量をベースラインとし、その後は週ごとの人流の変化と、1~6週遅れのCOVID-19発症率の関係を調べた。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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