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NEJM誌から
Novavax社のワクチンNVX-CoV2373の有効性は89.7%
アルファ株による感染拡大中の英国で行われた第3相臨床試験

 英国London大学のPaul T. Heath氏らは、米国Novavax社が開発したSARS-CoV-2組換えナノ粒子ワクチンNVX-CoV2373を、英国の18~84歳の成人に投与する第3相臨床試験を行い、2回目の接種から7日後以降の有効性を89.7%だったと報告した。結果は2021年6月30日のNEJM誌電子版に掲載された。

 NVX-CoV2373は、全長のSARS-CoV-2(Wuhan-Hu-1株)の三量体スパイク糖蛋白が複数結合しているナノ粒子5μgと、サポニン・ベースの免疫増強アジュバントMatrix-M 50μgを組み合わせたワクチンで、21日間隔で2回筋注する。初期の臨床試験データは、このワクチンが、健康な成人に強力な免疫を誘導し、安全性が高いことを示していた。

 そこで著者らは、2020年9月28日~11月28日に英国の33施設で第3相臨床試験を実施した。この期間は英国でB.1.1.7系統(アルファ株)の感染拡大が始まった時期に該当する。対象は18~84歳の健康な成人、または心臓や呼吸器の慢性疾患があるが、状態が安定している成人(HAART療法を受けているHIV感染者も含む)とした。COVID-19感染歴がある人、免疫抑制療法を受けている人、免疫不全と診断されている人は除外した。

 条件を満たした参加者は、1対1の割合でランダムにNVX-CoV2373と生理食塩水のプラセボに割り付けられた。参加施設と年齢(65歳未満とそれ以上)は、両群に偏りがないよう層別化した。この試験は評価者をブラインド化しているため、ワクチン接種にかかわったスタッフは、それ以後参加者と連絡を取らないようにした。

 有効性の主要評価項目は、ベースラインでSARS-CoV-2に対する抗体を持たない参加者の、2回目の接種から7日後以降の軽症、中等症、重症のSARS-CoV-2感染症とし、PCR検査とヌクレオカプシド抗体検査で決定した。重症度は米国FDAの分類に従った。割り付け薬を2回接種された人を対象にper-protocol分析した。

 1万6645人の候補者をスクリーニングして、条件を満たした1万5187人がランダム割り付けに参加し、ワクチン群7593人とプラセボ群7594人に割り付けた。このうち2回の接種を完了し、評価日まで追跡できたワクチン群7020人とプラセボ群7019人を有効性評価の対象にした。対象者の年齢は中央値で56歳、27.9%が65歳以上だった。女性の割合が48.4%で、民族は94.5%が白人、2.9%がアジア系、0.4%が黒人だった。44.6%が何らかの併存疾患を有していた。

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シリーズ◎新興感染症
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