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EClinicalMedicine誌から
nitazoxanideはCOVID-19治療薬に使えるか?
ブラジルで行われた概念実証パイロット試験

 ブラジルSao Paulo連邦大学のVinicius Fontanesi Blum氏らは、もともと抗原虫薬として開発されたnitazoxanide(NTZ)に抗ウイルス作用もあることから、軽度の呼吸機能障害で入院したCOVID-19患者に投与する予備的な第2相臨床試験を行い、NTZはプラセボよりも入院期間やPCR陰性になるまでの期間を短縮することが示唆されたと報告した。パイロット試験の結果は2021年6月26日のEClinicalMedicine誌電子版に掲載された。

 NTZとその代謝物であるtizoxanideが、広域スペクトラムの抗ウイルス薬として関心を集めている。既にインフルエンザに対する臨床試験が行われ、合併症のない急性インフルエンザ患者に1日600mgを5日間投与すると、プラセボに比べ回復が早まること、有害事象は軽症であることが報告されている。またB型肝炎やC型肝炎の治療に併用する臨床試験も行われている。

 このNTZをCOVID-19患者の治療に用いる臨床試験も、米国、アルゼンチン、メキシコ、エジプト、ナイジェリアなどで行われている。著者らは、予備的な研究として、ブラジルの軽症COVID-19患者を対象として、NTZの有効性と安全性をプラセボと比較する、二重盲検のランダム化比較試験を計画した。

 対象は、RT-PCR検査でCOVID-19の診断が確定した18歳以上の成人患者で、発症からの時間が最長36時間以内で、酸素飽和度96%未満の軽症呼吸機能障害で入院した患者とし、ブラジルの6病院で参加者を募集した。HIVやHTLVに感染している患者、癌治療を受けている患者、自己免疫疾患患者、臓器移植のレシピエント、妊婦や授乳中の女性は組み入れから除外した。COVID-19に対する治療を受けたことがある患者も除外した。

 2020年5月20日から2020年9月21日までの期間に、条件を満たした参加者50人を、NTZ群25人とプラセボ群25人にランダムに割り付けた。NTZ群は600mgを食事と共に1日2回、7日間投与した。鼻咽頭スワブを用いた定量的PCR検査は、初日と4、7、14、21日目に実施した。患者の臨床状態、入院期間、院内死亡率、機械的換気の必要性、再入院についても調べた。臨床検査値は、初日と10、21日目に、Dダイマー、CPK、CK-MB、インターロイキン濃度、リンパ球活性マーカーなどを測定した。患者の重症度は5段階のスケールで評価し、スコア1が外来患者、2は入院しているが酸素療法は不要な患者、3は入院し非侵襲的な酸素療法が必要な患者、4はICUに入院し侵襲的な酸素療法が必要な患者、5は死亡とした。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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