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Ann Intern Med誌から
全身性毛細血管漏出症候群はSARS-CoV-2ワクチンの有害事象か?
接種後に救急搬送され、再燃したと考えられる3症例の報告

 全身性毛細血管漏出症候群(SCLS)はまれな疾患であり、未診断の患者が存在すると予想されている。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のMeghan Matheny氏らは、SARS-CoV-2ワクチン接種から数日以内にSCLSを発症した3人の患者の経過を、2021年6月15日のAnn Intern Med誌電子版に報告した。接種前に、予防的な免疫グロブリン静注(IVIG)を行うと、SCLSの再燃を回避できる可能性にも触れている。

 SCLSが再燃すると、血漿が末梢組織に漏出し、低血圧性ショックと多臓器不全が生じる可能性がある。また、過度の静脈内輸液投与によって、全身浮腫とコンパートメント症候群が生じることもある。通常、寛解期間の患者には症状は見られない。SCLSの診断は、低血圧、血液濃縮、低アルブミン血症を含む臨床所見に基づいて下されている。予防には、テオフィリンとテルブタリンが併用されてきたが、近年、IVIGが、症状の発現を抑制し、生存利益をもたらすとして、予防に用いられるようになっている。

 著者らは今回、米国で標準的な用量のSARS-CoV-2ワクチンの接種を受けた3人のSCLS患者に、接種直後に生じた重症の再燃について報告している。WHOは、これらのイベントは、投与量とは無関係の、予測不能の、重篤な有害事象に分類している。この症例報告の目的は、臨床医にSARS-CoV-2ワクチン接種後1~2日以内にSCLS様のイベントが生じる可能性があることを知らせて、注意を喚起することにあった。

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シリーズ◎新興感染症
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