日経メディカルのロゴ画像

NEWS◎大阪大が開発、ウイルスを電気的に検出する迅速検査「ナノポア法」
AIが唾液検体の新型コロナウイルスを5分で検出

 大阪大学のグループは、唾液検体中の新型コロナウイルスSARS-CoV-2)を約5分で検出できる新たな検査法「ナノポア法」を開発した。検体中のウイルスが半導体チップのナノポア(貫通孔)を通過する際の電流変化を、人工知能(AI)で解析することで電気的にウイルスを検出する。2021年6月17日にオンラインで開催された記者会見で、研究を主導した谷口正輝氏(大阪大学産業科学研究所バイオナノテクノロジー研究分野教授)が発表した。論文は同日、Nature Communications誌に掲載された。

 新型コロナウイルスの検査法としては、ウイルスのRNAを転写・増幅して検出するPCR検査と、ウイルスの抗原を検出する抗原検査が広く用いられている。PCR検査は極めて感度が高い一方、検査に数時間を要する。抗原検査は特別な検査機器が不要で、30分程度で検査ができるものの、感度は70%程度にとどまる。

 谷口氏らの研究グループは、唾液検体から1個のウイルスを電気的に検出し、識別する迅速検査「ナノポア法」を確立した。検査のパッケージは、検体を注入してウイルスを検出するための「Aiporeセンサモジュール」、モジュールからの電気信号を増幅して計測する微粒子計測装置「nanoSCOUTER」、信号をAIで解析するソフトウエア「Aipore-One」で構成される(図1)。

図1 ナノポア法の検査パッケージ(提供:大阪大学産業科学研究所)

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

この記事を読んでいる人におすすめ