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JAMA誌から
中国の不活化ワクチンのCOVID-19発症予防効果は70%以上
UAEとバーレーンで行われたフェーズ3試験の中間解析結果

 アラブ首長国連邦(UAE)のAbu Dhabi Health Services CompanyのNawal Al Kaabi氏らは、中国の国営企業Sinopharm社グループの2種類の全粒子不活化ワクチンWIV04とHB02をUAEとバーレーンの成人に接種したフェーズ3試験の中間解析を行い、どちらのワクチンもCOVID-19発症予防効果は70%を超えていたと報告した。結果は2021年5月26日JAMA誌電子版に掲載された。

 不活化ワクチンは、2~8℃で輸送し保存することができるという利点を持つ。フェーズ3試験は、Sinopharm社の子会社であるWuhan Institute of Biological Products社とBeijing Institute of Biological Productsがデザインし、UAE、バーレーン、エジプト、ヨルダンの4カ国が参加した。このワクチンのフェーズ1/2試験の結果は既に報告されている。(関連記事:中国のSARS-CoV-2不活化ワクチンの中間解析

 対象は、SARS-CoV、SARS-CoV-2、MARSの感染歴がない18歳以上の成人だ。2週間以内に呼吸器疾患の症状があった人は除外した。条件を満たした人を1対1対1の割合でランダムに、武漢の金銀潭医院で分離されたWIVO4株とHB02株に由来する2種類の不活化ワクチン、または水酸化アルミニウムのアジュバントのみの対照群に割り付けた。参加者は21日間隔で割り付けられたワクチンを2回筋注した。

 主要評価項目は、2回目の接種終了から14日後以降の診断が確定した症候性COVID-19患者とした。副次評価項目は、重症COVID-19とCOVID-19死亡とした。参加者には各回の接種から7日以内に起きた局所と全身の有害事象を記録して報告するように依頼した。追跡期間中の予期しない有害事象も記録した。

 参加登録は2020年7月16日に始まった。有効性の中間解析を行う予定日は2020年12月20日で、有害事象の中間解析を行う予定日は2020年12月31日に設定した。エジプトとヨルダンでは登録開始が遅れたため、中間解析にはUAEとバーレーンのデータを用いた。

 両国では4万6270人をスクリーニングして、4万411人がランダム割り付けに参加した。内訳はWIVO4株群が1万3470人、HB02株群が1万3470人、対照群が1万3471人だった。このうち、実際に1回目の接種を受けたのが、WIVO4株群1万3459人、HB02株群1万3465人、対照群1万3458人だった。さらに2回目の接種を受けてから14日後以降の評価を受け、ベースラインのPCR検査が陰性だった3万8206人(94.6%)が、主要評価項目に関する分析対象になった(WIV04群1万2743人、HB02群1万2726人、対照群1万2737人)。

 参加者の平均年齢は36.1歳(標準偏差9.3歳)、84.4%が男性だった。参加者の80.5%はUAEで、19.5%がバーレーンで応募した。参加者の出身国は、UAE23.6%、インド13.9%、バングラデシュ10.0%、中国9.7%、パキスタン9.4%、バーレーン7.1%、エジプト5.1%、フィリピン3.9%など様々だった。

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