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JAMA Network Open誌から
テストステロン低値は男性COVID-19患者の重症化に関係する
連続するCOVID-19入院患者で重症者と軽症者のホルモン濃度を比較

 性別男性は、COVID-19重症化の危険因子だ。しかし、そこに性ホルモンが関係するかどうかは明らかではなかった。米国St Louis大学医学部のSandeep Dhindsa氏らは、2020年3月~5月に1施設の病院を受診したCOVID-19患者の血液検査を行い、テストステロン、エストラジオール、インスリン様成長因子1(IGF-1)の濃度を調べ、入院中のテストステロン濃度が低い男性患者は重症化するリスクが高かったと報告した。結果は2021年5月25日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 男性のテストステロン濃度は変動しやすい。年齢が30歳を過ぎると年に1~2%の割合で低下すると報告されている。肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病のような慢性疾患も、多くがテストステロン値の低下と関連が見られる。COVID-19患者でも、ICUに入院した男性や人工換気を必要とした男性のテストステロン値は、軽症患者に比べ低いことが示されており、テストステロン値が参照値より低い男性には、慢性的な炎症マーカーの上昇が見られるという報告があった。

 テストステロンは、アロマターゼによりエストラジオールに変換される。男女ともに年齢の増加に伴いエストラジオールとIGF-1の濃度は低下する。IGF-1濃度の低下は急性呼吸窮迫症候群に関係することが示されている。また、入院中のエストラジオール高値は、男性と女性の死亡リスクの上昇と関係するという報告もあった。しかし、COVID-19の重症度にエストラジオールとIGF-1の濃度が関係するかどうかは明らかではなかった。そこで著者らは、テストステロン、エストラジオール、IGF-1の血中濃度とCOVID-19の重症度、および炎症マーカーとの関係を詳しく調べるために、前向きコホート研究を計画した。

 組み入れ対象は、2020年3月から5月に、COVID-19を示唆する症状があったためにミズーリ州セントルイスのBames Jewish病院を受診し、鼻咽頭スワブ標本を対象とする検査によりSARS-CoV-2感染陽性が確定した連続するCOVID-19患者。患者から採取されていた血清標本を用いて、テストステロン、エストラジオール、IGF-1の濃度を調べた。対象としたのは、受診日(0日)と3日目、7日目、14日目、28日目の標本だ。採血はその時点で入院していた患者に実施した。入院しなかった患者については0日時点の標本のみを評価対象にした。

 主要評価項目は、ベースラインのテストステロン濃度と重度のCOVID-19イベントとし、酸素補充が必要な低酸素血症、機械的換気が必要、ICU治療が必要、COVID-19による死亡を含めた。共変数として、年齢、BMI、人種、喫煙歴、Charlson Comorbidity Indexによる合併症を調べた。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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