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Lancet Respratory Medicine誌から
COVID-19退院患者の1年後の呼吸機能は?
大半は時間と共に改善するが、一部に12カ月後まで異常が持続する患者も

 中国武漢大学人民医院のXiaojun Wu氏らは、COVID-19の後遺症が呼吸機能に与える影響を調べるために、同大学病院に入院したCOVID-19患者を退院後12カ月間追跡し、呼吸機能検査とCT画像の変化を調べたところ、多くの患者は時間と共に改善していたが、一部の患者は12カ月後でも異常が継続していたと報告した。結果は2021年5月5日のLancet Respratory Medicine誌電子版に掲載された。

 COVID-19から回復した患者には様々な後遺症が見られるが、後遺症の影響の大きさは十分に明らかになっていない。他のウイルス感染症については、ウイルス感染後疲労症候群の発生が報告されている。COVID-19の場合は、肺線維症、肺と全身性の血管疾患、気管支拡張症、慢性疲労、精神疾患(PTSDや鬱、不安など)などが後遺症として報告されている。そこで著者らは、COVID-19患者を退院後12カ月間追跡し、呼吸機能を評価し、危険因子について検討する前向きコホート研究を行った。

 対象は武漢大学人民医院に入院した18歳以上COVID-19患者で、呼吸数が30回/分以上、酸素飽和度が93%以下、PaO2/FiO2が300mmHg以下、画像検査で肺の病変が50%以上に進行、のいずれかに該当する重症患者とした。高血圧、糖尿病、心血管疾患、癌、喘息やCOPDがある患者、喫煙歴を持っていた患者は追跡から除外した。さらに、入院中に挿管と機械的換気が必要になった患者も除外した。

 条件を満たした患者は退院から3カ月後、6カ月後、9カ月後、12カ月後に受診してもらい、診察と検査を行った。具体的には、肺拡散能力(DLCO)、努力肺活量(FVC)の25-75%を呼出する間の努力呼気流量(FEF25-75%)、機能的残気量(FRC)、FVC、1秒量(FEV1)、残気量(RV)、全肺気量(TLC)、肺活量(VC)などを測定した。さらに、胸部高分解能CT(HRCT)検査、6分間歩行試験、修正息切れ(mMRC)スケールを用いた評価も実施した。

 2020年2月1日から3月31日までに399人の退院患者をスクリーニングし、135人の患者が条件を満たした。このうち83人(61%)が参加に同意した。患者の平均年齢は60歳(四分位範囲52~66歳)で、43%が女性だった。BMIの中央値は男性が25.1(23.8~26.9)、女性は24.3(22.8~27.2)だった。入院中には、全員が抗ウイルス薬の投与を受けていたが、ステロイドが使用された患者はいなかった。入院期間の中央値は29日(25-35)だった。

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シリーズ◎新興感染症
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