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NEJM誌から
Novavax社のワクチンは南アの変異株にも有望
HIV陰性者ではCOVID-19発症予防効果が約60%

 米国Novavax社のVivek Shinde氏らは、南アフリカ共和国で同社の組み換えスパイク蛋白質ナノ粒子ワクチンNVX-CoV2373に関する第2a/b相臨床試験を行い、このワクチンは特にHIVに感染していない人で効果が期待でき、同国で優勢になっているB.1.351系統の変異株に対しても、COVID-19発症予防効果を示したと報告した。結果は2021年5月5日のNEJM誌電子版に掲載された。

 NVX-CoV2373は、全長のSARS-CoV-2(Wuhan-Hu-1株)の三量体スパイク糖蛋白をコードする遺伝子に組み換えを施し、ワクチンとしてより有効性の高い配列にしてバキュロウイルスに組み込み、これをSf9昆虫細胞に感染させ、発現させた抗原を精製して、ナノ粒子の表面に数多く提示させたもので、サポニン・ベースの免疫増強アジュバントMatrix-Mと共に2回接種することになっている。

 このワクチンは、既に健康な成人を対象とする第1/2相臨床試験で、安全性に大きな問題がなく、強力な中和活性を有する抗体と、抗原特異的なT細胞応答を誘導することが示されていた。一方、最近ではウイルスの変異株が報告され、ワクチンの有効性が薄れることが懸念されていることから、変異株が優勢になってきた南アフリカで第2a/b相臨床試験を実施することになった。

 試験の参加者は、2020年8月17日から11月25日まで、南アフリカの16施設で募集した。対象は、年齢が18~84歳のHIV検査陰性者と、HIV陽性だが状態が安定している18~64歳の人とした。SARS-CoV-2感染歴を調べるために、ベースラインでスパイク蛋白に対するIgG応対検査を実施した。組み入れ除外対象は、妊婦、長期の免疫抑制療法を受けている人、自己免疫疾患患者、既にCOVID-19に感染した経験が明らかな人などとした。

 参加者は1対1の割合で、NVX-CoV2323ワクチン(5μgの組み換えスパイク蛋白質と50μgのMatrix-M1アジュバントの組み合わせ)またはプラセボ(生理食塩水0.5mL)に割付けて、21日間隔で2回筋注した。参加者は7日後、21日後、35日後、3カ月後、6カ月後に受診して診察を受け、血液標本を採血し、有害事象の聞き取り調査を行った。電話での追跡は12カ月後まで行う予定だ。

 安全性の主要評価項目は、2回目の接種から35日後までのあらゆる有害事象と、初回と2回目の接種から7日後までのワクチン接種と関連する局所と全身の有害事象とした。有効性の主要評価項目は、2回目の接種から7日後以降の症候性COVID-19の発症とした。参加者はCOVID-19を疑う症状が出たらいつでも試験参加施設に電話するよう依頼され、施設側も2週間ごとに参加者に電話するようにした。発症が疑われた場合は、診察を受け、鼻腔スワブ標本を採取して、核酸増幅検査により診断を確定した。鼻腔スワブ標本は、後日にホールゲノムシーケンスを行って、遺伝子変異の確認にも使われた。

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シリーズ◎新興感染症
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