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Lancet Respiratory Medicine誌から
既感染者の若者にもワクチンは接種すべき
抗体陽性者が再感染するリスクは抗体陰性者の5分の1程度

 米国Naval Medical Research CenterのAndrew G Letizia氏らは、米国の海兵隊に入隊する予定の18~20歳の若者にSARS-CoV-2抗体検査を行い、その後6週間追跡して、抗体陽性者の再感染リスクは抗体陰性者の初回感染リスクの5分の1程度だったと報告した。結果は2021年4月15日のLancet Respiratory Medicine誌電子版に掲載された。

 SARS-CoV-2に感染すると、多くの場合抗体陽性となり、しばらくその状態が維持されるが、液性免疫反応のレベルと持続期間には個人差がある。いくつかの研究が、感染歴がある人や抗体陽性が確認された人にも再感染が起こることを示している。若い成人は、SARS-CoV-2に感染しても無症状であることが多い。著者らは、若い成人の再感染リスクを明らかにすることが、国民に対するワクチン接種方針の決定において重要だと考え、既に感染歴があり抗体陽性となった18~20歳の健康な人々の再感染リスクについて検討することにした。

 この研究は、前向きコホート研究COVID-19 Health action Response for Marines(CHARM)の一環として行われた。CHARMは米海兵隊に入隊予定の若者(18~20歳)を対象にしている。海兵隊では、新兵からの感染を防ぐために、入隊前2週間は自宅隔離を要求する。その後若者たちは、身体的距離を維持しつつマスクを着用した状態でホテルなどに移動し、その時点からさらに2週間、監視下で厳格に隔離される。隔離終了時点で、PCR検査で陰性が確認されれば、海兵隊の施設に移って基礎訓練を受けることになっている。

 著者らは、隔離施設入所時点(ベースライン)で採血し、SARS-CoV-2のスパイク蛋白質の受容体結合ドメインと、全長スパイク蛋白質に対するIgG抗体をELISAにより検出し、1:150以上の希釈で陽性なら血清陽性と判断した。このタイミングで、参加者は質問票を用いた調査を受けた。調査では、人口統計学的特性、危険因子、COVID-19に特異的な14の症状、または非特異的なあらゆる症状、薬剤服用歴などの情報を収集した。

 また、隔離期間の0週時点、1週目、2週目にPCR検査を行って感染の有無を調べた。この2週間のうちにPCR検査で陽性となった人は分析から除外した。隔離期間中の3回のPCRが全て陰性で、ベースラインの抗体検査で、陰性または陽性と判定されていた若者が、訓練施設であるMarine Corps Recruit Depotに移動して基礎訓練を受けた。著者らは、それらの若者をそこから6週間追跡し、血清陽性者と陰性者の両方に、2週後、4週後、6週後にPCR検査を実施して、感染の有無を調べることにした。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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