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BMJ誌から
COVID19発症後には様々な疾患のリスクが増加する
生存退院した患者と条件がマッチする地域住民を比較した英国のコホート研究

 英国国家統計局のDaniel Ayoubkhani氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症について調べるために、COVID-19で入院後に生存退院した英国の患者を2020年9月末まで追跡。条件がマッチする一般の地域住民と様々な疾患の発症率を比較するコホート研究を行い、退院後の再入院や死亡率に加え、各種臓器系の疾患が増加していたと報告した。結果は、2021年3月31日のBMJ誌電子版に掲載された。

 英国のNational Institute for Health and Care Excellence(NICE)は、COVID後遺症(Long covidとも呼ばれる)を「COVID-19の感染が継続している間、または回復後に生じた症状や徴候で、12週間以上持続し、代替診断によって説明できないもの」と定義している。該当する状態が6~12週間持続している患者は、COVID後遺症の専門医に紹介することを推奨している。しかし、COVID後遺症の疫学的な詳しい特徴は、ほとんど明らかになっていなかった。

 そこで著者らは、COVID-19を発症し入院した患者の退院後の再入院や死亡と、臓器特異的な後遺症の発生率を明らかにするために、後ろ向きマッチドコホート研究をイングランドのNHS傘下の病院で実施した。

 組み入れ対象は、2020年1月1日から8月31日までに、検査でSARS-CoV-2感染が判明したか、臨床的にCOVID-19と診断されて入院し生存退院した患者。パンデミックの初期には全員がPCR検査を受けることができなかったため、全体の分析では臨床診断の患者も含め、それとは別にウイルスを同定できた患者のみを対象にした感度解析を行うこととした。

 対照群のコホートには、約5000万人のイングランドの住民から人口統計学的特性と併存疾患などの特性が患者とマッチする人を選ぶことにした。候補者は、COVID-19で入院したことがなく、1年前の2019年1月1日から追跡終了日の2020年9月30日までにプライマリ・ケアの受診記録がある人に絞り込んだ。併存疾患は2010年1月1日~2019年12月31日までのNHSの診療記録から照合し、年齢、性別、民族、居住地域、貧困、喫煙状態、BMIなどをマッチさせた。Index dateは患者群の退院日とし、そこから9月30日まで、または死亡まで追跡した。

 主要評価項目は、2020年9月30日までの総死亡、あらゆる原因による再入院、呼吸器疾患、主要な心血管イベント(心不全、心筋梗塞、脳卒中、不整脈)、糖尿病(1型または2型)、慢性腎臓病(ステージ3~5)、慢性肝臓病の診断とした。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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