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Lancet誌から
既感染者はSARS-CoV-2再感染を防げるか?
デンマークの大規模研究では予防効果は8割、ただし高齢者の数値は下がる

 デンマークStatens Serum InstitutのChristian Holm Hansen氏らは、2020年に同国民の69%に相当する約400万人を対象に、延べ1000万回以上のPCR検査を実施した結果から、一度SARS-CoV-2に感染したことがある人の再感染を防ぐ効果を約8割と推定したが、この値は65歳以上の高齢者では下がっていたと報告した。結果は2021年3月17日のLancet誌電子版に掲載された。

 SARS-CoV-2に感染した人の再感染リスクがどの程度なのかは明らかではない。これまでの研究では、再感染を経験する患者は1%未満であることが示唆されていたが、いずれも小規模な母集団を対象にした報告だった。

 他の欧州諸国と同様に、デンマークでは2020年3~5月に流行の第1波、9~12月に第2波を経験した。有症状の患者だけでなく、無症候性の人に対しても無料で幅広くPCR検査を行う流行監視戦略を適用し、5月からは18歳以上の国民を対象に、9月以降は2歳超の小児も対象に加えた。これにより2020年末までに、人口の69%に相当する396万人が1060万回の検査を受けた。著者らはこの検査結果を利用して、初回感染後の再感染リスクを推定することにした。

 Danish Microbiology Databaseから2020年2月26日~12月31日にPCR検査を受けた人の結果を調べた。コホート組み入れ対象は、第1波期間(6月1日よりも前)にPCR検査を受けて、陽性または陰性と判定された人。コホートを追跡して、陽性者と陰性者の9月から12月の第2波期間での感染率を比較した。第1波と第2波の間にPCR検査で陽性となった患者と、第2波の到来前に死亡した患者は除外した。

 再感染の予防効果は、第1波での陽性者と陰性者が第2波期間中にPCR陽性と判定された率比を算出し、交絡因子になり得る性別・年代・PCR検査実施回数を調整した上で、1-調整率比として計算した。

 また、別のアプローチとして、利用可能なデータの全てを対象として、時期を第2波での陽性結果に限定せず、90日以上前に初回のPCR検査を受けて陽性または陰性の判定を受けた人を追跡して、再感染のリスクを検討した。さらに、このコホート研究の参加者を、年齢、性別、初回感染からの期間に基づいて層別化し、再感染予防効果に違いがあるかどうかを検討した。

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シリーズ◎新興感染症
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