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NEJM誌から
AZ社のワクチンは南アの変異株には期待薄
南アフリカでの臨床試験からB.1.351株に対する効果の中間解析

 南アフリカWitwa-tersrand大学のShabir A. Madhi氏らは、AstraZeneca社のChAdOx1 nCoV-19ワクチン(AZD1222)の有効性と安全性を評価するランダム化比較試験のデータを利用して、同国で最初に見つかったB.1.351系統の変異株に対する効果を調べる中間解析を行い、このワクチンを2回接種しても感染予防効果は得られなかったと報告した。結果は2021年3月16日のNEJM誌電子版に掲載された。

 従来型の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症した患者の回復期血漿に含まれる抗体が、南アフリカで最初に同定されたB.1.351系統の変異株(501Y.V2)に対する中和活性が低いことが報告されている。著者らは、南アフリカで行われた多施設フェーズ1b-2試験で、AZD-1222の安全性と免疫原性、COVID-19の発症予防効果を検討した。今回の中間解析では、特にB.1.351変異株に対する効果を分析した。同国では2020年の11月から、臨床試験実施地区でも変異株が報告されるようになっている。

 この試験では、南アフリカで感染拡大の第1波がピークを迎えた2020年6月24日に患者登録を開始し、11月9日まで継続した。組み入れ対象は、年齢が18歳以上65歳未満で、慢性疾患がないか、あっても管理が良好で、HIVに感染していない人とした。SARS-CoV-2感染歴がある人、ワクチン接種に関連するアナフィラキシーを経験したことがある人、BMIが40以上の肥満者などは除外した。条件を満たした人は1対1の割合で、標準的な用量のAZD1222、またはプラセボ(生理食塩水)にランダムに割り付けて、21~35日間隔で2回筋注した。

 割り付けの時点で検査を行い、SARS-CoV-2のヌクレオカプシド蛋白に対するIgG抗体を調べた。ベースラインでIgG抗体陰性だった人の中から、ランダムにサンプリングして、2回目のワクチン接種から14日目以降に、B.1.351変異株に対する中和抗体活性を検査することにした。

 有効性の主要評価項目は、ベースラインで抗体陰性だった参加者が、2回目のワクチン接種から14日を過ぎてからの、核酸増幅検査で確定した症候性COVID-19発症とした。副次評価項目は、B.1.351変異株に対する有効性、ベースラインで抗体陽性だった患者の有効性、1回目の接種から14日以降と21日以降の有効性などとした。安全性の評価項目は、ワクチン接種後の局所と全身の有害事象とした。

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シリーズ◎新興感染症
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