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Lancet Infectious Disease誌から
インドの新型コロナワクチンのフェーズ2試験の中間解析がまとまる
不活化したウイルス全粒子とアジュバントを併用するワクチン

 インドBharat Biotech社のRaches Ella氏らは、開発中のSARS-CoV-2に対する全粒子不活化ワクチンBBV152(コバクシン)を、健康な若者と成人に投与するフェーズ2試験を行い、中間解析の結果、免疫原性の反応は良好で安全性にも懸念はなかったと報告した。論文は2021年3月8日のLancet Infectious Disease誌電子版に掲載された。

 BBV152は、インドの患者から分離されたSARS-CoV-2(NIV-2020-770株)を、βプロピオラクトンで不活化したウイルス全粒子ワクチンだ。この株はスパイク蛋白の614番目のアミノ酸がアスパラギン酸からグリシンに置換した変異を持っている。アジュバントとして、toll様受容体7/8アゴニスト活性があるイミダゾキノリン構造分子をAlgelに吸着させたAlgel-IMDGを併用する。BBV152は2~8℃で保存できるため、mRNAワクチンより取り扱いが簡便になるという利点もある。

 フェーズ2試験では、3μgまたは6μgの不活化ウイルス粒子をAlgel-IMDGと共に、28日間隔で投与するレジメンを用いることにした。フェーズ1試験で14日間隔だった投与期間を、フェーズ2試験で28日間隔にしたのは、既に緊急使用許可を受けている他のワクチンとそろえようとしたためだ。フェーズ2試験では、サンプルサイズを増やすことで、3μgと6μgの免疫原性の差を明らかにすることを目標にした。そのためプラセボ群は設けなかった。

 フェーズ2試験はインドの9病院で、健康な12~65歳までの人々を対象に行われた。スクリーニング時点で核酸検査と抗体検査を行い、どちらかで陽性になった人は参加者から除外した。妊娠・授乳中の女性、併存疾患のある人も除外した。条件を満たした参加者は1対1の割合で、3μg不活化全粒子+Algel-IMDG、または6μg不活化全粒子+Algel-IMDGにランダムに割り付けて、0日目と28日目に1回当たり0.5mLを三角筋に筋注した。接種前も接種後も、イブプロフェンやアセトアミノフェンは処方しなかった。

 主要評価項目は、再接種から4週後(56日時点)の、SARS-CoV-2に対する中和抗体価と血清転換率(接種後の抗体価がベースラインの4倍以上になった人の割合)に設定し、50%プラーク減少中和検査(PRNT50)と、マイクロ中和アッセイ(MNT50)を用いて評価した。副次評価項目は細胞媒介性免疫応答とし、再接種から2週間後(42日後)のTh1/Th2サイトカインプロファイルに基づいて判定した。分析対象は、2回の接種を完了した人とした。安全性については、1回以上接種を受けた人を対象に、局所と全身性の反応を評価した。

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シリーズ◎新興感染症
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