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JAMA誌から
COVID-19患者へのイベルメクチン投与で効果示せず
発症から7日以内の軽症患者で回復期間短縮効果を調べた研究

 コロンビア小児感染症研究センターのEduardo Lopez-Medina氏らは、軽症のCOVID-19患者にイベルメクチンまたはプラセボを5日間投与し、21日後までに症状が消失した人の割合を比較するランダム化比較試験(RCT)を行ったが、回復に要する期間の短縮効果は見いだせなかった。結果は2021年3月4日のJAMA誌電子版に掲載された。

 in vitroと動物モデルの研究から、イベルメクチンがSARS-CoV-2ウイルスの増殖を抑制することが知られており、一部の国では、この薬がCOVID-19診療ガイドラインに加えられ、実際に患者に処方されている。しかし、COVID-19患者に対するイベルメクチンの有効性は臨床試験で確かめられていない。そこで著者らは、臨床試験を実施することにした。ウイルスの増殖はCOVID-19の感染初期にとりわけ活発になるため、感染初期にイベルメクチンを投与すれば回復が早くなるという仮説を検討するのが目的だ。

 試験参加者は衛生当局のデータベースから探した。2020年7月15日~12月21日の期間に、検査でSARS-CoV-2感染が確認された成人男性と、妊娠・授乳中ではない成人女性で、発症から7日以内の軽症患者を選び出した。対象となったのは自宅療養または入院しており、高流量経鼻酸素療法や機械的換気を受けていない患者。無症候性感染の患者、重度の肺炎患者、既にイベルメクチンを投与された患者、肝機能障害のある患者は組み入れから除外した。

 条件を満たした患者は、1対1の割合でランダムに割付けて5日間、空腹時にイベルメクチン(体重当たり300μg/kg)またはプラセボを服用した。参加者は割り付け薬を空腹時に服用するように指示された。参加者とは電話で定期的に連絡を取り、検査が必要な時は看護師が自宅や入院先を訪問して実施した。21日後の追跡終了時には、割り付け薬のボトルを回収してアドヒアランスを確認した。なお、試験開始から8月26日まで使われていたプラセボは、生理食塩水と5%ブドウ糖溶液を混合したもので、イベルメクチンとの味の違いが被験者に分かってしまう可能性があったので、それ以後はイベルメクチンの製造メーカーに味の違いの分からないプラセボを用意してもらった。

 主要評価項目はランダム割り付けから21日後までの症状消失。症状の程度は、WHOが推奨する8段階の順序尺度(感染の臨床徴候が全く認められない0から、死亡の7までの範囲)を用いて評価した。回復までの期間は、21日間の追跡中に患者がスコア0と報告した最初の日までと規定した。副次評価項目は、症状が悪化した患者の割合、追跡中の8段階スコア、発熱した患者の割合と持続期間、死亡した患者の割合などとした。有害事象についても報告してもらった。

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シリーズ◎新興感染症
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