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NEJM誌から
Moderna社のワクチンに見られた遅延皮膚反応
接種直後の症状が消失した後に中央値8日で現れる皮膚反応

 米国Massachusetts総合病院のKimberly G. Blumenthal氏らは、Moderna社のSARS-CoV-2ワクチンmRNA-1273を接種した人々の一部に認められた遅延皮膚反応の特徴を、患部の写真とともにNEJM誌電子版に2021年3月3日に報告した。目的は、世界的に集団接種が進む中で、患者の不安を軽減し、不要な治療を回避できるよう、臨床医に広く情報を提供するためとしている。

 mRNA-1273のフェーズ3試験では、初回接種後、84.2%の患者に接種部位反応が見られた。加えて、接種から8日後以降に接種部位の周辺に、紅斑、硬化、圧痛などを含む遅延皮膚反応を経験した患者が、初回接種後は0.8%、再接種後には0.2%いたが、症状は4-5日後に消失したと報告されていた。 

 著者らは、初回接種後中央値8日に(範囲は4~11日まで)、大きな皮膚反応を経験した患者12人を観察した。いずれも、接種直後の局所反応と全身症状が全て消失した後に、注射部位の近傍にさまざまな外見の反応が現れた患者だった。12人中5人の患部は直径10cm以上で、グレード3と判定された。

 患者1には、上腕部に大きな環状の発赤と腫脹が認められ、掻痒もあった。患者2、6、11の上腕部には、広範な浮腫状の発赤と疼痛があった。患部が熱を持ち、痒みを感じた患者もいた。患者3の発赤部の縁は不明瞭で、掻痒と疼痛を訴えた。一部の患者の患部は硬化しており、患者8には、掻痒、疼痛、色素沈着なども見られた。腕の局所的な発疹に加えて、2人の患者は、それ以外の皮下症状も経験した。患者5には掌と指の腫脹が、患者6には肘に蕁麻疹様の膨疹が見られた。一部の患者は、遅延皮膚反応と同時に、全身性の反応(疲労感、筋痛、頭痛、悪寒、リンパ節腫脹、発熱など)も経験した。12人のうち8人は、過去にアレルギー反応(鼻炎、蕁麻疹、ハチ毒アレルギー、造影剤アレルギー、ペニシリンアレルギーなど)を経験していた。

 多くの患者は、氷による冷却や抗ヒスタミン薬などの治療を受けた。一部の患者は局所または傾向ステロイドによる治療を受けた。1人の患者は蜂巣炎が疑われたため、抗菌薬の治療を受けた。皮膚反応は、発症から中央値6日(範囲は2~11日)で消失した。

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シリーズ◎新興感染症
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