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NEJM誌から
ファイザーのワクチンはイスラエルでCOVID-19を防いだか?
全国規模のワクチン接種でも臨床試験とほぼ同様の成績

 イスラエルClalit Health ServicesのNoa Dagan氏らは、同国でBNT162b2ワクチン接種を受けた人と、条件がマッチする非接種者を比較することにより、約60万人の一般市民に対するワクチンの有効性を検討して、このワクチンには、SARS-CoV-2感染、COVID-19の症状発症、入院、重症化、死亡を抑制する効果が見られたと報告した。結果は2021年2月24日のNEJM誌電子版に掲載された。

 Pfizer社/BioNTech社のBNT162b2 mRNAワクチンは、臨床試験での有効性が94~95%だったと報告されている。しかし、臨床試験では参加人数が限られ、併存疾患などの組み入れ基準も厳密に規定されている。そのため、コールドチェーンの維持などワクチン管理の問題も含めて、様々な条件の人が含まれる一般住民を対象にした承認後のワクチン評価が必要だ。そこで研究者たちは、イスラエル最大の健康維持機構(HMO)で、国民の53%が加入しているClalit Health Service(CHS)のデータを利用して、BNT162b2の有効性を評価することにした。

 対象は、年齢16歳以上で、CHSに加入してから1年以上経過しており、これまでにPCR検査でSARS-CoV-2陽性判定を受けたことがない人。COVID-19病棟で働く医療スタッフなど、一般の人に比べ感染機会が著しく多いと考えられる人は除外した。CHSでワクチン接種を開始した2020年12月20日から2021年2月1日までに、新たにワクチンを接種した人を介入群とし、1対1の割合で人口統計学的要因と臨床特性がマッチする対照群を選び出した。

 マッチさせた条件は、年齢、性別、セクター(一般のユダヤ教徒、アラブ人、超正当派ユダヤ教徒など)、居住地域、過去5年間のインフルエンザ予防接種歴、妊娠の有無、重症化の危険因子である併存疾患の保有数など。

 主要評価項目は、PCR検査で確定したSARS-CoV-2感染、症候性のCOVID-19発症、COVID-19関連入院、COVID-19重症例に該当、COVID-19による死亡とした。追跡は、評価項目のイベント発生、COVID-19とは関係のない死亡、対照群に選ばれた人がワクチン接種を受ける、追跡終了予定日のいずれかまで継続した。ワクチンの有効性は、初回接種後14~20日目の期間、21~27日目の期間、再接種後7日目以降に評価した。

 期間中に150万3216人がワクチンを接種しており、組み入れ条件を満たしたのは116万3534人だった。このうち59万6618人は条件がマッチする非接種者が見つかった。分析対象者の年齢は中央値で45歳、男性の割合は50%だった。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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