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JAMA Network Open誌から
COVID-19による外出制限で外傷入院患者のパターンに変化
2020年の米国ロサンゼルス郡の外傷センター入院患者を前年と比較

 米国Southern California大学のCameron Ghafil氏らは、COVID-19パンデミックが外傷入院患者のトレンドに与えた影響を調べるために、カリフォルニア州ロサンゼルス郡の外傷センター15カ所に2020年初めから6月7日までの期間に入院した患者の数を前年同期と比較した。外傷のパターンには変化が見られたが、外出制限で減少していた入院患者数は解除後に元に戻ったと報告した。結果は2021年2月22日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 パンデミックは住民生活のあらゆる局面に影響を及ぼしたが、医療資源も配分の見直しを迫られた。救急部門にCOVID-19患者が押し寄せ、入院患者の多くがICUでの治療を必要としたからだ。これまでの研究で、外出制限などの対策を実行したパンデミックの初期には外傷による入院患者が減少したことが報告されている。しかし、その多くは単独の施設による報告で、ロックダウン解除後の変化まで継続して追跡していなかった。

 ロサンゼルス郡は全米各地の中でもCOVID-19患者数や死者数が多かったため、ここでの変化を分析することは、医療機関の方針やリソース配分を検討する上で参考になるはずだ。そこで著者らは、2020年の始めから、自宅待機が段階的に解除されていた期間までの、同郡内の外傷センター15施設への入院患者数の変動を調べ、入院を必要とした患者の外傷の種類についても検討する後ろ向きコホート研究を実施した。

 全てのデータは、ロサンゼルス郡のDepartment of Health Services(DHS)のEmergency Medical Services(EMS)Agencyから得た。EMS AgencyのData Management Divisionは、米国外科学会によって認証されているレベル1とレベル2の外傷センター15施設に入院した患者のデータを収集、分析、提供している。2020年1月1日から6月7日までの期間に入院した、14歳以上の全ての外傷患者を分析対象とし、前年同期と比較することにした。

 該当する患者の人口統計学的特性、入院前のバイタルサイン、外傷の状態(発生機序、Abbreviated Injury Scaleのスコア、重症度スコア)、臨床データ(救急部門受診時のバイタルサイン、Glasgow Coma Scale、毒物検査の結果、救急部門で行われた治療)、患者の転帰(30日死亡、急設呼吸窮迫症候群発症、入院期間、ICU入院期間、換気装置を必要とした日数)に関する情報を得た。

 主要評価項目は、外傷のトレンド(入院患者数の変化と外傷パターンの変化)とした。副次評価項目は、外傷の種類(銃・刃物・動物咬傷などの穿通性外傷、交通事故などの鈍的外傷、感電や熱傷などその他の外傷)、救急部門でのエアロゾル発生手技の必要性、入院期間、ICU入院期間、換気日数、30日死亡率などとした。

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