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BMJ誌電子版から
COVID-19患者への抗凝固薬投与開始は早期に
入院から24時間以内に開始すると30日死亡率が減少する

 英国London大学衛生熱帯医学大学院のChristopher T Rentsch氏らは、COVID-19入院患者に対して早期に抗凝固薬の予防的投与を開始すると死亡率を減らすことができるかを検討するために、米国退役軍人局(VA)の医療施設に入院した患者を対象にしたコホート研究を行い、抗凝固薬を早期投与された患者は使用しなかった患者に比べ30日死亡率が27%低かったと報告した。結果は2021年2月21日のBMJ誌電子版に掲載された。

 COVID-19で死亡した患者から静脈や動脈の血栓症が見つかっているため、いくつかのガイドラインが、入院患者に対する抗凝固薬の予防的投与を推奨している。これまでに行われた観察研究では、抗凝固療法が患者の死亡リスク低下に関係することを示唆しているが、それらの研究はサンプルサイズが小さいため、大規模な研究で確認することが望ましい。そこで著者らは、米国でも最大規模のVA医療システムを利用して、COVID-19患者の30日死亡に対する抗凝固薬の予防的投与の影響を検討することにした。

 VA医療システムのデータベースから、2020年3月1日から7月31日までに、SARS-CoV-2感染確定例となって入院していた患者を選び出した。3月1日より前の診療記録がない患者、入院前の30日間に抗凝固療法を受けていた患者、赤血球輸血を受けた患者(活動性出血や重度の貧血は抗凝固療法の禁忌に該当するため)、24時間以内に退院した患者、などは組み入れから除外した。

 対象になる入院患者の処方記録から、ワルファリン、ヘパリン静注、低分子ヘパリン(エノキサパリン、フォンダパリヌクス、ダルテパリン)、直接経口抗凝固薬(アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン)の使用について調べた。用量と投与経路から、予防的投与か、治療的投与かを推定した。その上で、入院から24時間以内に予防的抗凝固療法を受けていた患者と、受けていない患者のアウトカムを比較することにした。

 主要評価項目は入院から30日以内の死亡率とした。副次評価項目は、院内死亡、治療目的での抗凝固療法の開始(血栓塞栓イベントを含む、臨床的悪化の代替指標)、輸血が必要な出血に設定した。

 交絡因子候補として、年齢、人種、性別、居住地域、併存疾患、Charlson併存疾患指数、飲酒習慣、喫煙習慣などに関する情報を得た。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて傾向スコアを算出、逆確率重み付け法を用いて交絡因子を調整した。

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シリーズ◎新興感染症
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