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JAMA Psychiatry誌から
COVID-19回復後に約3割の患者がPTSDを発症
危険因子は性別女性、急性期のせん妄や興奮、回復後の症状持続

 イタリアFondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCSのDelfina Janiri氏らは、COVID-19を発症した後に回復した381人の患者を追跡して、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症率と危険因子を検討し、発症率は約3割で、男性よりも女性が発症しやすかったと報告した。結果は2021年2月18日のJAMA Psychiatry誌電子版に掲載された。

 COVID-19発症者がその後PTSDと診断されるリスクは高いことが示唆されており、先にLancet Psychiatry誌に報告されたメタアナリシスでは、PTSDの有病率は32.2%(95%信頼区間23.7-42.0)と報告されていた。しかし、PTSDについて調べたこれまでの研究は、患者の条件がそれぞれで異なっていた。そこで著者らは、COVID-19を発症し救急部門を受診した連続する患者を追跡して、PTSD発症の有無を調べることにより、質の高いデータを得ようと考えた。

 ローマにある著者らの病院では、2020年4月21日にCOVID-19回復者のためのケアサービスを提供する部門が設置された。そこでは診療科を超えた総合的な健康診断と、精神面に関する詳細な評価を行っている。今回は、救急部門を受診したCOVID-19患者が退院できる状態に回復して、新部門でのケアサービスを受けた381人の連続する患者を分析対象にした。

 PTSDの評価は、訓練を積んだ精神科医が、Clinician-Administrated PTSD Scale for DSM-5(CAPS-5)を用いて診断した。評価者間信頼性を示すCohen kは0.82だった。PTSDの定義は、PTSDを引き起こすイベントに暴露した(CAPS-5のA基準)ことに加えて、CAPS-5のB基準(再体験)とC基準(回避)の症状を1つ以上保有し、D基準(陰性変化)とE基準(過覚醒)の症状を2つ以上保有し、F基準(1カ月以上の持続)とG基準(生活に障害)も満たすとした。PTSD以外の疾患の診断には、Structured Clinical Interview for DSM-5(SCID-5)を用いた。

 COVID-19快復後にPTSDと診断された患者と、PTSDに該当しないと判定された患者を比較し、二項ロジスティック回帰分析を行って、PTSDと関係する要因を同定した。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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