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Lancet誌から
AZ社のワクチンは12週間隔の2回接種が最適か?
中間解析以後のデータを追加した新たな報告

 英国Oxford大学のMerryn Voysey氏らは、AstraZeneca社とOxford大学が開発したCOVID-19ワクチンAZD1222に関する臨床試験の2020年12月7日までの最新データを分析し、ワクチンの有効性に関する結論は中間解析と一致しているが、初回接種とブースター接種の間隔は、6週間の場合よりも12週間の方が効果的と考えられると報告した。結果は2021年2月19日Lancet誌電子版に掲載された。

 AZD1222は、臨床試験参加者のうち131人がCOVID-19を発症した2020年11月4日時点での有効性を評価した中間解析の結果に基づいて、英国で緊急使用許可が下りている。このレジメンは、18歳以上の成人を対象に4~12週間の間隔を空けて2回投与する方法だ。今回の論文では、332人がCOVID-19を発症した2020年12月7日までのデータを分析している。

 AZD1222は、チンパンジーアデノウイルスをベクターとし、全長のスパイク蛋白質をコードする遺伝子を導入した、組換えウイルスベクターワクチンだ。中間解析では、4~12週間隔で2回接種した場合の効果は70.4%(95.8%信頼区間54.8-80.6)と報告されている。既にハイリスク者を対象とするワクチン接種が始まっているが、いまだ供給量は限られているため、英国では、やはり緊急使用許可を得ているmRNAワクチンとともに、12週間隔で2回接種されることになっている。しかし、WHOはmRNAワクチンについて、接種間隔は最大で6週間を推奨している。

 このワクチンは当初、単回接種を想定して開発されていたが、フェーズ1試験のデータを検討したところ、2回接種後に中和抗体価が有意に上昇していたことから、原則として2回接種に変更された。そこで、それまでに臨床試験の単回投与コホートに登録されていた人々にも2回接種の機会を提供したが、一部は2回目の接種を望まなかったため、自己選択による単回接種コホートが形成された。また、ワクチン製造の遅れから、臨床試験参加者の中に2回目の接種が予定通り受けられない人が少なからず現れた。これが、免疫原性と予防効果に対する、単回接種と、異なる間隔の2回接種の影響を検討する機会を与えた。

 AZD1222の臨床試験は、英国で行われたCOV001とCOV002試験、ブラジルで行われたCOV003試験、南アフリカで行われたCOV005試験のデータをまとめたものだ。18歳以上の成人を対象に、標準用量のAZD1222(5×1010ウイルス粒子)または対照群にランダムに割り付けて結果を比較している。対照群には生理食塩水または髄膜炎菌ワクチンを使用した。英国で行われた試験では、一部の患者に対して、初回接種時に低用量(2.2×1010ウイルス粒子)が用いられた。

 主要評価項目は、核酸増幅検査(NAAT)で陽性、かつ37.8度以上の発熱、咳、息切れ、嗅覚障害/味覚障害のいずれか1つ以上を有する、COVID-19発症に設定した。主要な解析では、2回目の接種から14日以降の発症について検討し、副次評価項目では、初回接種から21日を超えて以降の発症について検討した。単回接種の効果に関する分析では、再接種を受けなかった患者と、その後再接種を受けた患者を加えて、接種から21日超経過した後の発症について検討した。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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