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MedRxivから
既感染者へのCOVID-19ワクチンは1回が適切
未感染者の2回目接種後よりも抗体価が高い

 既にSARS-CoV-2に感染したことがある人も、未感染者と同様にワクチンを2回接種すべきなのかは疑問がある。米国Mount Sinai Icahn医科大学のFlorian Krammer氏らは、ファイザーとモデルナのSARS-CoV-2ワクチンの接種を受けた既感染者の抗体反応と有害事象の発生率を未感染者の場合と比較し、既感染者には単回接種が適切であることを示唆する結果を得て、2021年2月1日にプレプリントサーバーMedRxivに公開した。

 2020年12月に、2種類のmRNAワクチンが、米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可を得た。どちらの製品もフェーズ3試験で、症候性SARS-CoV-2感染症予防における高い効果を示した。ワクチンはいずれも、3~4週間隔で2回接種されるが、既にSARS-CoV-2に感染した人の場合には、初回接種が一般の人における再接種と同じ意味を持つと考えられる。また、既に免疫を持つ人がワクチンを接種すると、より強い反応を示す可能性もある。感染歴を持つ人にも2回接種が必要なのかどうかが議論されていた。

 著者らは、109人(抗体陰性の68人と抗体陽性の41人)を対象として、ワクチン初回接種後の免疫反応を調べた。抗体陰性者では、初回接種後のIgG抗体応答はまちまちで、IgG抗体価は低いレベルだった。スパイク蛋白質に対する抗体価の中央値は、接種前が1(68人)、9~12日後は439(13人)、13~16日後では1037(15人)、17~20日後は1037(15人)、21~24日後は1075(11人)で、2回目接種後には1399(21人)になっていた。

 これに対して既感染者の抗体価は、初回接種前が91(41人)で、5~8日後には1万4208(15人)になっており、9~12日後は2万783(8人)、13~19日後は2万5927(20人)、17~20日後には1万2661(5人)、21~24日後は1万6263(4人)で、2回目接種後は2万2509(20人)だった。既感染者の抗体価は、評価されたどの時点でも、未感染者の10~20倍高く、さらに、再接種後の抗体価も未感染者の10倍を超えていた。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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