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Lancet誌から
抗体陽性率が高いブラジルのマナウス市でCOVID-19入院患者が急増
集団免疫獲得レベルに達したのに1月の入院患者数が前年の約6倍に

 2021年1月にブラジルのアマゾナス州マナウス市で、COVID-19による入院が急増した。同市の献血者の血清抗体陽性率は、2020年10月に76%に達していたため、集団免疫が獲得できるレベルと考えられたにもかかわらず、1月の入院患者数は前年同期をはるかに超えた。ブラジルSao Paulo大学のEster C Sabino氏らは、同国での変異株などの情報に基づいて、入院患者が増加した理由を考察し、2021年1月27日のLancet誌電子版に報告した。

 ブラジル北部のマナウス市では、2020年4月下旬にCOVID-19入院患者数がピークに達した後、減少に向かい5月~11月の入院患者数は少なく抑えられていた。同市での流行のピークから約1カ月後の2020年6月には、献血者の44%がSARS-CoV-2ヌクレオカプシド蛋白質に対するIgG抗体を保有していた。さらに2020年10月には、この割合が76%(95%信頼区間67-98%)に達した。同様の現象は、ペルーのアマゾン川流域の都市イキトスでも見られ、抗体陽性率は70%(67-73%)と推定されている。理論的には、基本再生産数R0が3であるなら、人口の67%が抗体を持っていれば集団免疫を獲得できると考えられる。

 ところが、2021年1月1日~19日のマナウス市のCOVID-19入院患者数は3431人で、これは前年同期の552人を大幅に上回った。入院患者数の急増を説明する仮説として、著者らは以下の4つの仮説を検討した。

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シリーズ◎新興感染症
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