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JAMA誌から
2種類の抗体併用でSARS-CoV-2が有意に減少
Eli Lilly社の中和抗体を用いたフェーズ2/3試験の結果報告

 米国Baylor大学医療センターのRobert L. Gottlieb氏らは、軽症から中等症のCOVID-19患者を対象に、米国で緊急使用許可を得ているEli Lilly社のSARS-CoV-2中和抗体LY-CoV555(bamlanivimab)を単剤で用いた場合と、LY-CoV016(etesevimab)を併用した場合の、ウイルス量に対する影響を検討するフェーズ2/3試験BLAZE-1を実施した。その結果、2種類の抗体を併用した場合は、投与から11日目の鼻咽頭スワブに含まれるウイルス量がプラセボに比べ有意に減少しており、bamlanivimabを単剤で用いた場合にはプラセボ群との差は有意にならなかったと報告した。データは2021年1月21日JAMA誌電子版に掲載された。

 これら2種類の中和抗体は、SARS-CoV-2のスパイク蛋白質の異なる抗原決定基を認識しており、etesevimabは、bamlanivimabの結合部位に変異を持つウイルスにも結合し中和することが基礎研究で示されていた。研究者たちは、これらを併用すれば、ウイルス量の低下を促進し、耐性変異の出現も抑制できるのではないかと考えた。この論文ではbamlanivimabとetesevimabの併用群、3種類の用量設定によるbamlanivimab単独群、プラセボ群の5つのグループを比較した結果について報告している。

 BLAZE-1試験は米国の49施設で、外来患者を対象に実施された。組み入れ対象は、SARS-CoV-2感染陽性の18歳以上の患者で、軽症から中等症の症状が1つ以上あり、PCR検査や抗原検査で陽性判定されてから3日以内に受診した患者。症状はFDAのガイダンスに規定している発熱、咳、咽頭痛、倦怠感、頭痛、筋痛、消化器症状、動作時の息切れとした。

 条件を満たした患者は、ランダムに5つのグループに割り付けられたが、2020年7月17日から8月21日まで、bamlanivimab単独群とプラセボ群の登録を先に行った。引き続き8月22日から9月3日までetesevimab併用群を登録した。単独群は、104人がbamlanivimab700mgに、109人が2800mgに、104人が7000mgに割り付けられた。bamlanivimab2800mgとetesevimab2800mgの併用群は114人、プラセボ群には161人が割り付けられた。層別化は何らかの症状を発症してから8日以内か、8日超かについて実施した。割り付けられた治療は、陽性判定から3日以内に、どの群も1時間かけて点滴静注を1回実施した。

 主要評価項目は、プラセボ群と比較したベースラインから11日目(±4日)のSARS-CoV-2ウイルス量の変化とし、中央検査室で鼻咽頭スワブに対するRT-PCR検査を行って、ウイルス量を評価した。

 副次評価項目として以下の9つを設定し、実薬群とプラセボ群の間で比較した。ウイルス量に関する評価指標は3項目で、ウイルス排除までに要した日数、ウイルス排除を達成していた患者の割合(7日目、11日目、15日目、22日目)、29日目のウイルス量の曲線下面積とした。症状に着目した評価指標は5項目で、症状スコアの変化(7日目、11日目、15日目、22日目)、症状改善まで時間、症状消失までの時間、症状改善者の割合と症状消失者の割合(7日目、11日目、15日目、22日目)。臨床アウトカムの指標は、29日目までのCOVID-19関連入院、緊急部門受診、死亡した患者の割合とした。症状スコアは、FDAガイダンスにある8つの症状のそれぞれについて、なし(スコア0)から重症(スコア3)の範囲で評価し、合計した(範囲は0~24)。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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