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NEJM誌から
Janssen社のワクチンAd26.COV2.Sの臨床試験
アデノウイルスベクターを用いたスパイク蛋白質遺伝子のワクチン

 オランダJanssen Vaccines and PreventionのJerald Sadoff氏らは、Janssen社がSARS-CoV-2ワクチン候補として開発しているAd26.COV2.Sを、健康な成人に投与して、安全性と免疫原性を評価したフェーズ1-2a試験で、このワクチンの忍容性は好ましく、中和抗体と共に細胞性免疫も誘導したと報告した。中間解析の結果は2021年1月13日のNEJM誌電子版に掲載された。

 Janssen社のAd26.COV2.Sは、複製能力のない組換えアデノウイルス血清型26(Ad26)ベクターに、スパイク蛋白質遺伝子の全長を安定化して組み入れたものからなる。ワクチンの塩基配列は、最初に単離された武漢株を採用している。今回の論文は、2つの年代の健康な成人を対象に実施したフェーズ1-2a試験の中間報告だ。

 試験はベルギーと米国の12施設で2020年7月22日に開始された。参加者は18~55歳までの健康な成人(コホート1)と65歳以上の健康な高齢者(コホート3)だ。単回接種と2回接種を比較するためのコホート2のデータは、この報告には含まれない。コホート1と3の参加者は、5×1010ウイルス粒子/mL(低用量)のAd26.COV2.Sワクチン、1x1011ウイルス粒子/mL(高用量)のワクチン、またはプラセボに割り付けて、56日間隔で2回、筋注する設計になっていた。

 具体的には参加者を1対1対1対1対1の割合で、低用量を2回接種、初回は低用量で2回目はプラセボ(低用量単回接種に相当)、高用量を2回接種、初回は高用量で2回目なプラセボ(高用量単回接種に相当)、2回ともプラセボ、に割り付けた。

 主要評価項目は各群の安全性と反応性とした。接種後の評価のために参加者には7日後、28日後、71日後に受診してもらった。非自発的な有害事象については接種から7日後、自発的な有害事象は28日後までデータを収集した。重篤な有害事象については、追跡期間を通じて継続的に情報収集した。今回の分析は10月30日までの報告に基づいている。

 SARS-CoV-2特異的抗体はELISA法により検出した。中和抗体価は、野生型のウイルスを利用したマイクロ中和アッセイなどにより測定した。スパイク蛋白質特異的なT細胞の反応は、細胞内サイトカイン染色法などを用いて評価した。

 7月22日~8月7日までに、コホート1では593人をスクリーニングして、405人が組み入れられ、402人が1回目の接種を受けた。この人たちは11月7日までに2回目の接種を受けた。8月3日~24日までに、コホート3では660人がスクリーニングを受け、405人が組み入れられ、403人が1回目の接種を受けた。ベースラインでSARS-CoV-2スパイク蛋白抗体検査が陽性だった参加者は、コホート1が2%、コホート3は1%だった。

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シリーズ◎新興感染症
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