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JAMA Intern Med誌から
介護施設入居者のCOVID-19死亡の危険因子は?
認知機能やADLが低下した高齢者は30日総死亡率が高い

 米国Brown大学医学部のOrestis A. Panagiotou氏らは、COVID-19に感染した米国のナーシングホーム入居者5256人の電子健康記録を調べ、診断から30日以内の死亡例を抽出して危険因子について検討し、加齢や糖尿病などの基礎疾患に加え、認知機能障害やADLの低下も死亡リスクの増加と関連が見られたと報告した。結果は2021年1月4日のJAMA Intern Med誌電子版に掲載された。

 ナーシングホームで暮らす介助が必要な高齢者は、慢性疾患を有し、認知機能や身体機能にも障害を抱える人が多く、SARS-CoV-2感染リスクが高い。COVID-19を発症すれば有害な転帰に至るリスクが高いため、入居者のCOVID-19による死亡の危険因子を明らかにすることが重要だ。そこで著者らは、米国のナーシングホーム入居者の健康管理データから、COVID-19の診断から30日以内の総死亡率を増加させる危険因子を同定することにした。

 コホート研究の対象は、米国の25州に存在する351カ所のナーシングホーム入居者で、2020年3月16日から9月15日までにPCR検査でSARS-CoV-2感染が確定し、COVID-19関連の症状を示した5256人。電子健康記録から、入居者の健康状態(毎日のバイタルサインやCOVID-19の症状の発現など)と患者特性(年齢、性別、人種、症状、併存する慢性疾患、身体機能、認知機能など)に関する情報を入手した。

 主要評価項目は、PCR検査で初回陽性から30日以内の総死亡に設定した。危険因子の候補として、人口統計学的要因(年齢、性別、人種など)、併存疾患(心不全、冠動脈疾患、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、高血圧、2型糖尿病)、認知機能、身体機能、COVID-19の症状(頻脈、息切れ、発熱、低酸素症)などを検討した。認知機能と身体機能は、メディケアやメディケイドの指定を受けた施設が定期的に評価することになっているMinimum Data Set(MDS)を利用してスコア化した。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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