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EClinicalMedicine誌から
米国のDNAワクチンINO-4800のフェーズ1試験
皮内投与で電気穿孔法を用いるSARS-CoV-2DNAワクチン

 米国Inovio Pharmaceuticals社のPablo Tebas氏らは、同社が開発中のSARS-CoV-2スパイク蛋白質に対するDNAワクチンINO-4800を健康な人々に投与したフェーズ1試験を行い、INO-4800は安全で試験参加者に細胞性免疫と液性免疫を誘導することができたと報告した。結果は2020年12月24日のEClinicalMedicine電子版に掲載された。

 DNAワクチンのINO-4800は、筋注ではなく皮内投与で、「CELLECTRA 2000」という器具を用いて電気穿孔法で細胞内にDNAを送達する仕組みを採用している。Inovio社は先に、MERSのスパイク蛋白質に対するDNAワクチン(INO-4700)を、CELLECTRAを用いて送達する試みを臨床開発段階まで進めていた。この技術を利用して、SARS-CoV-2を対象とする同様のワクチンINO-4800を開発した。こちらはSARS-CoV-2スパイク蛋白質の全長をコードするプラスミドのpGX9501を含有しており、10mg/mLの濃度になるようにクエン酸バッファー生理食塩水で調整している。DNAは武漢株のウイルスRNAと相補性がある塩基配列を使用している。なお、DNAワクチンは室温で安定なため、RNAワクチンのような冷凍設備を必要としない利点がある。

 安全性の評価項目は、初回接種から最長8週後までの全身と局所の反応とした。免疫原性の評価項目は、抗原特異的抗体価、中和抗体価、2回目接種後の抗原特異的INFγによる細胞性免疫応答とした。

 フェーズ1試験の参加者は米国の2カ所(フィラデルフィアとカンザスシティー)で募集された。対象は、年齢18~50歳、BMIが18~30kg/m2のCOVID-19感染歴のない健康な成人で、HBV・HCV・HIV検査が陰性で、心電図所見に異常がないこととした。感染リスクが高い職業の人、COVID-19関連の他の研究に参加した人、自己免疫疾患や免疫抑制状態の人、ワクチンでアレルギーを起こしたことがある人などは除外した。

 条件を満たした参加者は、2つのグループに分けられ、1.0mgと2.0mgの2種類の用量を初回と第4週の2回接種を受けた。参加者は皮内投与を受けた後、器具を用いた電気穿孔法で、電流0.2アンペア、電圧40~200ボルトの電気パルスを4回、各52ミリ秒ずつ照射した。参加者の状態は、1回目の接種から1、4、6、8、12、28、40、52週後に電話連絡を取り、有害事象が起こっていないかを調べた。初回投与前と初回接種から1、6、8、12、28、52週後には、血液検査と尿検査を受けてもらった。

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