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NEJM誌から
SARS-CoV-2抗体保有者の再感染リスクは低い
医療従事者の抗体検査を行い、6カ月の追跡で陽性者と陰性者の感染リスクを比較

 英国Oxford大学のSheila F. Lumley氏らは、同大学の医療従事者に対して定期的に行ったPCR検査と抗体検査のデータを分析し、スパイク蛋白質に対するIgG抗体またはヌクレオカプシド蛋白質に対するIgG抗体を保有する人は、抗体検査が陰性だった人に比べ、少なくとも6カ月間は再感染リスクが低かったと報告した。結果は2020年12月23日のNEJM誌電子版に掲載された。

 SARS-CoV-2に感染した患者の多くは、検出可能な抗体産生が起こることが分かっている。また、これまでに報告された再感染例はわずかで、それらの多くは、初回感染が軽症または無症候性で経過した患者だった。これは、SARS-CoV-2感染による免疫反応が、再感染をある程度防げることを示唆している。さらに小規模な研究では、中和抗体が感染を予防することを報告していた。

 しかし、一度感染した患者のうち、再感染を予防できる人の割合は明らかではない。また、症候性の再感染を予防するために必要な抗体のレベルや抗体の持続期間を調べることも必要だ。そこで著者らは、英国の医療従事者を対象に前向きコホート研究を行い、ベースラインでSARS-CoV-2抗体が陰性だった人と陽性だった人を6カ月以上追跡して、その後の感染リスクを比較することにした。

 Oxford大学病院では、Oxfordshireにある4つの教育病院に勤務している全てのスタッフに、症状の有無を問わずに、SARS-CoV-2に対するPCR検査を提供している。COVID-19を疑う症状があるスタッフの検査は、2020年3月17日から提供を開始した。4月23日からは、希望すれば症状がない医療従事者も検査を受けられる体制を整えた。それ以来、鼻腔と口腔咽頭スワブによるPCR検査を2週間ごとに、血清抗体検査を2カ月ごとに受けられるようにした。検査を受けたスタッフは、2020年11月30日まで、最長で31週間追跡した。

 抗体検査には、同大学が開発した、スパイク三量体に対するIgG抗体を検出するELISAと、Abbott社の抗ヌクレオカプシドIgGアッセイを用いた。ベースラインで抗体陰性だったスタッフは、最初にPCR検査が陽性になるか、終了予定日まで追跡した。ベースラインで抗体陽性だったスタッフは、初回感染のウイルスが残らないように60日間のウィンドウ期間を設け、その後に再感染のPCR検査が陽性になるか、終了予定日まで追跡した。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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