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Ann Intern Med誌から
O型の人はSARS-CoV-2感染リスクがやや低い
カナダオンタリオ州の住民コホートで血液型と感染率を検討

 カナダSt. Michael's病院のJoel G. Ray氏らは、オンタリオ州の住民を対象にしたコホート研究を行い、ABO式やRh式血液型とSARS-CoV-2感染リスクの関係を検討し、O型の人はそれ以外の血液型の人に比べ、感染リスクや重症化リスクが有意に低かったと報告した。結果は2020年11月24日のAnn Intern Med誌電子版に掲載された。

 これまでの研究で、ABO血液型とRh血液型はSARS-CoV-2感染リスクに影響を及ぼす可能性がいくつか報告されている。しかし、これらは単独の医療機関の患者だったり、併存疾患などの交絡因子の調整が不十分など、バイアスの問題が指摘されていた。そこで著者らは、オンタリオ州の全病院の入院患者データを利用した住民ベースの後ろ向きコホート研究で、血液型別のSARS-CoV-2感染リスクを検討することにした。

 対象は、2007年1月~2019年12月までに検査を受けて血液型が判明しており、2020年1月15日から6月30日までにSARS-CoV-2感染を調べるPCR検査を受けていた全ての成人と小児とした。

 主要評価項目は、PCR検査により確定したSARS-CoV-2感染とした。同一人物が複数回の検査で陽性と判定されていた場合は、最初の検査結果を評価することにした。副次評価項目は、COVID-19の重症化または死亡とした。重症化の判定基準は、ICUへの入院、7日間以上の入院、PCR検査日前後の14日間に診断された心筋梗塞またはウイルス肺炎とした。死亡は、PCR検査の前日から14日後までの期間に発生したものとした。

 共変数として人口統計学的特性、州内の居住地、併存疾患、PCR検査前5年間の病歴(心筋虚血、不整脈、癌、慢性腎臓病)、PCR検査前のうっ血性心不全と糖尿病などを調べた。また、年齢70歳未満と70歳以上に層別化した。

 2007年1月~2019年12月までに検査で血液型が判明していた人は265万9328人いた。このうち2020年の前半にPCR検査を受けていた人は22万5556人だった。平均年齢は53.8歳で、男性が29%だった。血液型は36.3%がA型、4.5%がAB型、14.9%がB型、44.3%がO型だった。Rh-の人は13.1%だった。

 併存疾患は各血液型のグループで若干の差はあるが、5年以内に心疾患の病歴があった人は13~15%、慢性腎臓病が約11%、貧血が約21%、癌は27~29%だった。PCR検査以前の病歴は、喘息が18~21%、COPDは13~17%、心不全は10~11%、糖尿病が約21%、慢性高血圧は39~41%だった。認知症またはフレイルの人は33~38%いた。

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シリーズ◎新興感染症
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