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Lancet Microbe誌から
SARS-CoV-2の感染力持続は発症から9日まで?
ウイルスの排出期間と感染力を調べた研究の系統的レビューとメタアナリシス

 英国St Andrews大学のMuge Cevik氏らは、SARS-CoV-2感染者から排出されるウイルスRNA量の変動や排出期間、および感染能力の持続期間を明らかにするために、系統的レビューとメタアナリシスを行い、気道や便標本からウイルスRNAを検出可能な期間は長期に及ぶが、発症から9日目以降に気道標本のウイルスが感染力を維持していたという研究は見つからなかったと報告した。結果は2020年11月19日にLancet Microbe誌電子版に掲載された。

 ウイルス感染症の伝播を予防するためには、排出されるウイルス量の変化と感染可能な期間を明らかにすることが大切だ。これまでに報告されたケースシリーズ研究などでは、ウイルスの量と排出期間にかなりの幅がある。そこで著者らは、様々な体液に含まれるSARS-CoV-2のウイルスRNA量の変化やウイルス排出期間、感染性が持続している期間などを明らかにし、SARS-CoVやMERS-CoVの場合と比較するために、系統的レビューとメタアナリシスを計画した。

 2003年1月1日から2020年6月6日までに、MEDLINE、Embase、Europe PubMed Central、MedRxiv、bioRxiv、灰色文献に登録された研究で、様々な種類の標本からSARS-CoV-2、SARS-CoV、MERS-CoVウイルスについて、排出量の変化、排出期間、感染力について報告していた英語の研究を選び出した。SARS-CoVが見つかった2003年以前の論文は検索対象に含めなかった。レビュー報告、動物での研究、5人以下の症例報告、観察の開始時点が不明瞭な研究は除外した。

 条件を満たしたそれぞれの研究について、ウイルス排出期間の平均値と95%信頼区間を推定し、ランダム効果モデルを用いてプール解析し、効果量を求めた。制約なし最尤モデルを用いて、重み付けメタ回帰分析を行い、仲介因子候補がプール解析した効果量に及ぼす影響を評価した。

 検索で見つかった論文は1486件あったが、フルテキストを参照できたのは350件だった。このうち条件を満たした研究は、SARS-CoV-2が79件(分析対象者は5340人)、SARS-CoVが8件(1858人)、MERS-CoVが11件(799人)だった。SARS-CoV-2の研究のうち58件は中国で行われていた。73件は入院した患者のみを対象としていた。6件は、16歳未満の小児のウイルス量の変化を報告していた。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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