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Ann Intern Med誌から
COVID-19死亡率の違いは年齢分布の影響が大
年齢標準化致死率を推定すると各国の死亡率差は大きく縮まる

 COVID-19の致死率は国ごとに大きく異なっている。ドイツHeidelberg大学のNikkil Sudharsanan氏らは、9カ国の年齢別のCOVID-19発症者と死者に関するデータを利用して人口統計学的研究を行い、各国間の致死率の差の3分の2は、COVID-19と診断された患者の年齢分布により説明できると報告した。結果はAnn Intern Med誌2020年11月3日号に掲載された。

 各国の致死率に大きな差がある理由の1つとして、分母となる全患者数の把握が難しいことが挙げられる。また、国によって、年代ごとに、SARS-CoV-2検査を受ける人の割合が異なることも影響していると考えられる。

 年代ごとの致死率は、どの国においても、年齢上昇と共に急激に上昇する。これまでに、低所得国や中所得国で致死率が低いのは、若い年代の人口比率が高いからで、イタリアで致死率が高いのは、高齢化が進んでおり、年齢が高いCOVID-19患者が多いからではないか、との考えが示されている。しかし、患者の年齢構成の差が、国ごとの致死率の差にどのくらい寄与しているかの検討は行われていなかった。

 著者らは、COVID-19患者の致死率が異なる要因は、ウイルスの毒性や各国の医療システムのCOVID-19対応能力などの違いよりも、診断が確定した患者の年齢分布の差による影響の方が大きいと考えて、世界各国のデータを集めて検討することにした。

 著者らは2020年4月19日までに、中国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、韓国、スペイン、スイス、米国の9カ国で発生したCOVID-19の症例122万3261例と死亡例について、年齢別に再集計したデータを用いた。データは米国CDCと各国政府の公式リポートから入手した。なお、観察された致死率は報告されているが、年代別に再集計されたデータは入手できなかった95カ国のデータも参考までに調査した。

 患者の年代別死亡率は、0~9歳、10~19歳、20~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳、60~69歳、70~79歳、80歳以上に層別化して、報告された患者数と死亡数から推定した。米国、ドイツ、フランスは公式報告の年齢分類の区切りが異なるため、各群の年齢の中点の致死率を計算した。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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