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JAMA Network Open誌から
COVID-19流行下での英国成人の抑うつ症状
オンライン調査で回答者の約1割が重度の抑うつを経験

 英国University College LondonのEleonora Iob氏らは、ロックダウンが行われていた時期の英国の成人の抑うつ症状について分析し、重症化の危険因子を調べるためにコホート研究を実施し、社会経済的立場が低い人などのリスクが高いことを報告した。結果は2020年10月26日にJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 この研究は、英国在住の18歳以上の人々を対象として2020年3月21日に始まり、現在も進行中の、大規模パネル調査COVID-19 Social Studyの一環として行われた。COVID-19 Social Studyはオンライン調査で、COVID-19パンデミック期間中の心理的経験と社会経験について検討するために、定期的にデータを収集している。なお、英国のロックダウンは、3月23日に始まり6週間継続された。

 今回の分析は2020年5月4日までに登録した人々で、1回以上調査を完了していた人を対象に実施した。参加者はメディアやSNSを通じて募集したが、以前に医学研究に参加したことがある人のデータベースやメーリングリストなども利用した。ハイリスクと考えられるグループ(低所得、低学歴、失業中、精神疾患の病歴がある人、要介護者、虐待の経験者など)が一定数含まれるように配慮した。電子メールアドレスの重複をチェックして、同一人物は1回のみ全ての質問に回答してもらうようにした。

 社会人口学的危険因子として、人種(黒人、東洋人、人種/民族的マイノリティー)、社会経済的地位(収入、雇用状態、学歴、不動産所有、家庭内の密度。以下SEP)、エッセンシャルワーカー(医療福祉、教育、保育、重要な公共サービスなど)かどうか、などに関する情報を得た。健康関連因子としては、身体疾患(糖尿病、高血圧、心疾患、肺疾患、癌、その他の慢性的な疾患の診断)と精神疾患(うつ病、不安障害、その他の精神疾患の診断)の有無を調べた。社会心理学的危険因子として、虐待(1週間以内に身体的にケガをさせられたり、誰かにいじめられたり脅されたりした経験があるか)、社会的支援(家族や周囲の人々による手助け)の程度などについて情報を収集した。

 主要評価項目は抑うつ症状とし、2020年3月21日から4月2日までの7時点で、9項目からなるPatient Health Questionnaire(PHQ-9)を用いて評価した。「まったくない」から「毎日のようにある」までのリッカート尺度でスコアを付け、0~9点が軽度の抑うつ、10~19点が中等度の抑うつ、20~27点が重度の抑うつとした。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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