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JAMA Network Open誌から
COVID-19対策と大学生のメンタルヘルス調査
外出禁止でフランスの大学生約7万人のうち42.8%が精神的な負荷を回答

 フランスLille大学病院のMarielle Wathelet氏らは、COVID-19対策として外出禁止令が出ていた期間のフランスの全大学生を対象に、オンラインでメンタルヘルス調査を行い、回答した学生の42.8%が何らかの精神的な負荷を感じていたと報告した。結果は2020年10月23日にJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 COVID-19パンデミックとその対策が、一般の人々の心理面に及ぼす影響に対する懸念が高まっている。特に大学生は、平常時でも抑うつ症状を有する人の割合が高く、精神的な健康を害しやすい可能性がある。流行初期に中国で行われた研究でも、高齢者に比べ大学生では、パンデミックに対する反応として、ストレス、不安、抑うつが現れやすいと報告されていた。そこで著者らは、外出制限期間中に、精神的な健康に問題が生じていた学生の割合を調べ、関連する要因を同定することにした。

 フランスでは、2020年3月17日から5月11日まで、COVID-19対策で全土に外出制限が指示されていた。著者らは、フランス政府を通じて同国内の82大学に要請を出し、所属する全学生約160万人に電子メールを送り、2020年4月17日から5月4日までの期間にオンライン調査への回答を依頼した。調査は匿名で行い、謝礼は用意しなかった。

 調査したのは、自殺念慮、深刻な苦悩、ストレス、不安、抑うつの5種類のアウトカムだ。評価に用いたのは、22項目からなるImpact of Event Scale-Revised(IES-R)、10項目からなるPerceived Stress Scale(PSS-10)、20項目からなるState-Trait Anxiety Inventoryの状態不安のサブスケール(STAIY-2)、13項目からなるBeck Depression Inventory(BDI-13)などだ。

 共変数として、社会人口学的特性(年齢、性別、学年、留学生か否か、居住地区がCOVID-19による死者が多い区域か)、生活の不安定さ(隔離による所得の喪失や居住環境の悪さ)、健康関連特性(精神科でフォローアップを受けた経験、期間中にCOVID-19と一致する症状を経験、外出制限期間中の1日あたりの運動量)、社会環境に関する情報(外出制限期間前の社会的帰属意識、子どもあり、外出制限期間の世帯構造、親族の健康に関する心配、人間関係の質)、メディア消費に関する情報(パンデミック関連情報に触れている時間/日、利用している情報の質)を収集した。

 また、外出制限期間中に、精神医療的ケアを求めたかどうかについても情報を得た。ケアを求めた場合には、大学の医療サービスを利用したか、それ以外の専門家を頼ったかも尋ねた。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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