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PNAS誌から
ネコはSARS-CoV-2ワクチンのモデル動物か?
ネコ間の感染は起こるが多くは無症状で抗体価が高く再感染は予防可能

 米国Colorado州立大学獣医学部のAngela M. Bosco-Lauth氏らは、ネコとイヌを対象にSARS-CoV-2感染実験を行い、ネコでは気道でウイルスが効率良く増殖し排出されるにもかかわらず、ほぼ無症状だが、誘導される中和抗体価は高く、再感染は予防可能と考えられること、ネコ間の感染は容易に起こるのに対して、イヌでは感染するがウイルスの排出は起こらず、低レベルの中和抗体反応は見られたと報告した。結果はPNAS誌2020年10月20日号に掲載された。

 SARS-CoV-2は、動物を起源としてヒトに感染し、ヒト-ヒト感染するようになったと考えられている。ヒトからペットへの感染が最初に報告されたのは香港で、ヒトからイヌに感染した可能性が高いと見なされた。続いてベルギーで、ヒトからネコへの感染が報告された。しかし、そうした報告は少なく、ヒトのSARS-CoV-2感染にペットが果たす役割は明らかではなかった。

 そこで著者らは、実験環境においてイヌとネコがSARS-CoV-2に感染させ、臨床症状や抗体反応について検討すると共に、動物間の感染や一度かかった動物の再感染についても検討することにした。

 実験に用いたのは、Colorado州立大学の、病原体フリーの閉鎖環境で繁殖させた5~8歳のネコ7匹(1匹がオスで6匹はメス)と、Ridglan Farmsから購入した5~6歳のイヌ3匹(すべてメス)だ。各個体から、口咽頭スワブ、鼻分泌物、血液を定期的に採取した。中和試験にはプラーク減少法(PRNT)を用いた。

 感染実験では、軽い麻酔をかけた上で両鼻孔に、ウイルスを含むリン酸緩衝生理食塩水を0.5mLずつ合計1mL滴下した。感染実験の対象となったネコは全て発熱せず、それ以外の症状もなく、体重減少も生じなかった。X線画像は、肺も含めて異常を示さなかった。イヌも同様で、症状は見られなかった。

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シリーズ◎新興感染症
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