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American College of Cardiology誌から
抗凝固療法はCOVID-19患者の死亡率を減らす
ニューヨークのCOVID-19患者4389人を調べたコホート研究

 米国Mount Sinai Covid Informatics CenterのGirish N. Nadkarni氏らは、ニューヨーク市内の5病院で入院したCOVID-19患者4389人を対象に、抗凝固療法(AC)の適用とアウトカムの関係を検討し、入院中にACを受けていた患者は受けていない患者に比べ、死亡率や挿管実施率が低かったと報告した。結果はAmerican College of Cardiology誌2020年10月20日号に掲載された。

 COVID-19で死亡した患者を対象とする剖検では、多くの患者に血栓が認められており、SARS-CoV-2感染による炎症がCOVID-19関連の凝固障害を引き起こし、血栓リスクが高まるという仮説が提示されている。著者らがMount Sinai Health Systemに入院した2700人のCOVID-19患者を対象に行った予備的研究でも、ACを受けていた患者の死亡率が低いことが示唆された。

 今回著者らは、より大規模なコホートを対象として、治療目的または予防目的でのACがアウトカム(生存、挿管、大出血)に及ぼす影響を、ACを受けなかった場合と比較する後ろ向き研究を実施した。一部の患者には剖検を行って、臨床的に検出されなかった血栓塞栓症の存在を調べた。

 対象は、2020年3月1日から4月30日までにニューヨーク市内の5病院に24時間以上入院した18歳以上のSARS-CoV-2感染確定例全員とした。電子診療記録から、人口統計学的特性、検査値、バイタルサイン、診断、併存疾患、治療法、アウトカムなどのデータを抽出した。アウトカムの追跡は2020年5月7日まで行った。

 予防投与は、未分画ヘパリンや低分子量ヘパリンの1日1回皮下投与、またはアピキサバン2.5mg1日2回か5mgを1日1回服用していた場合とした。治療投与は抗凝固薬の持続静注を行っていた場合、またはアピキサバン5mg1日2回に相当する直接経口抗凝固薬(DOACs)を投与されていた場合とした。ACの適用期間が48時間未満だった患者(大出血による治療中止は除く)はACなし群に分類した。

 主要評価項目は院内死亡とし、副次評価項目は挿管と大出血に設定した。大出血は、医師が活動性の出血を記録した場合、画像診断などで出血のエビデンスがある場合、2単位以上の赤血球輸血が行われた場合とした。ACを受けた群と受けていない群の比較には、傾向スコアの逆確率による重み付け(IPTW)法でマッチングを行った。

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シリーズ◎新興感染症
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