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EClinicalMedicine誌から
エノキサパリンはCOVID-19患者の死亡率を減少
イタリアの1病院での観察コホート研究

 イタリアFoundatione Poliambulanza病院のFilippo Albani氏らは、COVID-19患者にエノキサパリンを投与して血栓予防を試みる治療で院内死亡率を減らせるかを検討するコホート研究を行い、エノキサパリンを使用した患者は非使用者に比べ、院内死亡とICU入院のリスクが減少していたと報告した。結果は2020年10月1日にEClinicalMedicine誌電子版に掲載された。

 COVID-19患者にはしばしば、凝固亢進が認められる。原因は、SARS-CoV-2の感染に起因する内皮細胞の障害または炎症誘発性サイトカインの放出などにあると考えられている。2020年4月に国際血栓止血学会が作製したガイドラインは、COVID-19患者に対するエノキサパリンを用いた血栓予防を推奨しているが、それを支持する強力なエビデンスはなかった。そこで著者らは、エノキサパリンを用いた血栓予防が、COVID-19入院患者の院内死亡に及ぼす影響を検討することにした。

 対象は、2020年2月20日から5月10日までにFoundatione Poliambulanza病院に入院した成人のCOVID-19患者で、鼻咽頭スワブまたは肺胞洗浄液のPCR検査でSARS-CoV-2感染が確認された場合。18歳未満の患者と、観察終了日にまだ入院中でアウトカムが確定していない患者は除外した。入院中にエノキサパリンを投与されたかどうかで、患者を2群に分けた。

 医療記録から、患者の人口動態的特性、併存疾患、入院時の臨床検査値、受けた治療(ステロイド、アジスロマイシン、ヒドロキシクロロキンなど)、ICU使用の有無と期間、入院日数、退院時の状態を確認した。

 主要評価項目は院内死亡とした。副次評価項目は、ICUの使用と入院期間に設定した。院内死亡、ICU入院の評価には、重複重み付け傾向スコア法を用いた多変量ロジスティック回帰分析を、入院期間の分析には多変量ポワソン回帰モデルを用いた。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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