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BMJ誌から
ICUにいるCOVID-19患者の心停止発生率と転帰
蘇生処置を施された400人のうち生存退院できたのは12.0%

 米国Michigan大学のSalim S Hayek氏らは、COVID-19でICUに入院していた成人患者の院内心停止の発生率と心肺蘇生実施率、危険因子、転帰について検討する多施設コホート研究STOP-COVIDを行い、5019人のICU入院患者のうち14%が2週間以内に院内心停止を経験しており、そのうちの57.1%が心配蘇生処置を受け、7%が生存退院していたと報告した。結果は、2020年9月30日にBMJ誌電子版に掲載された。

 COVID-19が地域の医療体制を圧迫し始めた頃から、重篤なCOVID-19患者に対する心肺蘇生の意義について議論されてきた。ICUの病床数は限られており、蘇生処置は医療従事者の感染リスクが高く、重篤なCOVID-19患者の死亡率は高いため、院内で心停止を起こした患者の蘇生処置が本当に有効なのか疑問があったからだ。

 そこで著者らは、ICUに入院しているCOVID-19患者の院内心停止と臨床転帰に関するデータを検討するため、米国内の地理的に多様な68医療機関のICUに入院していた成人のCOVID-19確定例のデータを集めて、アウトカムを追跡することにした。

 対象は、2020年3月4日から6月1日までに68施設のICUに入院していた18歳以上のCOVID-19患者。彼らを退院、死亡、または追跡終了日(7月1日)のいずれかまで追跡した。

 主要評価項目は、ICU入院から14日以内の院内心停止と院内死亡とした。この研究での院内心停止の定義は、予期せぬ血行動態の悪化により脈を触知できなくなった患者で、通常ならば心肺蘇生の対象になる患者とした。状態の継続的な悪化により死が予測され、苦痛の緩和のみを目的とする治療が適用されている患者は、院内心停止に該当しないこととした。蘇生処置は、単独の胸骨圧迫から始まり、除細動処置、エピネフリン、バソプレシン、アミオダロン、リドカイン、アトロピン投与などを伴うものとした。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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